自動運転業界で「ストックオプション」をもらえるベンチャー企業

人材の争奪戦が過熱傾向



実用化の波とともに、自動運転分野の求人も勢いを増してきた。給与水準も上昇傾向にあり、エンジニアを中心とした人材の争奪戦も過熱傾向にあるようだ。


この争奪戦は、社風やビジョン、キャリア支援、労働条件などさまざまな要素に左右されるが、待遇面の影響も当然大きく、ストックオプション制度を導入して人材確保を進める企業も少なくない。

この記事では、ストックオプション制度を導入している自動運転関連企業の求人をピックアップし、紹介していく。

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■ストックオプションとは?

あらかじめ決められた価格で自社株を取得できる権利

ストックオプションは、自社株式をあらかじめ定めた価格で買うことができる権利を指す。株価が上昇した未来において権利を行使することで、現在の株価よりも低い株価で購入することができ、その差額を利益として手にすることができる。


株価が上昇することが前提となるが、確実に利益を得ることができるのだ。自身の職務において成果を上げれば会社の業績が伸び、株価も上がる……と考えれば、仕事に対するモチベーションもいっそう高まる。企業サイドとしても、自社に貢献し、命運を分かち合えるような人材を確保することができる。

未上場のスタートアップ・ベンチャーであれば、IPO後の株価上昇で多大な利益を得る可能性も高い。EV大手テスラでは、イーロン・マスクCEO自身が報酬パッケージの一環としてこの制度を導入し、膨大な報酬を得ている。社員の中からも、エンジニアに限らず工場スタッフなど含め多くの億万長者が誕生している。

■ストックオプション制度を導入している自動運転関連企業の求人

ティアフォー:Data Operations Lead, Data Scaling

ティアフォー製「Minibus」=出典:ティアフォー・プレスリリース

自動運転の民主化を目指すティアフォーは、Data Operations Lead, Data Scaling職を募集している。OTAプラットフォームのバックエンドおよび車載エージェント領域を担当し、要件定義から運用までフルサイクルでオーナーシップを発揮する。

OTAバックエンドの設計・開発をはじめ、デバイスフリート管理、状態同期、メトリクス収集、車載OTAエージェントの設計・開発、車載ECU上で動作するOTAエージェント本体の実装、クラウドとの双方向通信、ダウンロード制御、検証、適用、ロールバックのライフサイクル管理、Autoware・他車載コンポーネントとの協調動作――など、業務は多岐に渡る。


クラウドバックエンド開発、組込み/システムソフトウェア開発、API設計、データモデリング、非同期処理設計のいずれかにおける実務経験など、5年以上またはそれに相当する能力が必須とされる。

勤務地は東京都内で、想定月収は66万6,667円〜166万6,667円、年収換算で800万 ~ 2000万ほど。アピールポイントの中で、ストックオプション制度を挙げている。

Turing:ソフトウェアエンジニア/ Performance Optimization Engineer(大規模学習基盤)

出典:Turingプレスリリース

Turingはエンジニア職を中心に多くの求人を出している。その中の一つ「Performance Optimization Engineer(大規模学習基盤)」では、高負荷な計算処理を高速かつ効率的に実行するためのシステム開発に挑む。

自動運転システムでは、AI推論・モデル学習・画像処理・センサー処理など多数の計算負荷の高い処理がリアルタイムに実行されており、これらの処理をCPU・GPUをはじめとする計算資源上で高速かつ効率的に動作させるための設計・実装・最適化を担う。

Python、C++、Rustなどを用いたソフトウェア開発経験や、パフォーマンス改善や性能最適化の実務経験などが求められる。

勤務地は東京都内で、年収は700万〜1,000万円、プリンシパルエンジニアになれば1,500万~2,000万円。スタートアップのスピード感を損なわぬよう年2回のシンプルな人事考課サイクルで給与改定を行うほか、2026年4月からは卓越した成果を出した社員へのストックオプション付与も開始する予定としている。

newmo:M&A・PMIリード

Technology系タクシー企業のnewmoは、経営陣と近い距離で意思決定に関わり、M&A戦略の立案からPMI推進までを一気通貫で担い全国展開の基盤づくりをリードするポジションを募集している。

ソーシング戦略の立案・実行をはじめ、デューデリジェンスのハンドリング、ストラクチャー検討・買収交渉、PMI(100days含む)の設計と実行などを担う。PMI推進や、案件のソーシングからクロージングまでM&A実行プロセスを通した経験などが求められる。

勤務地は東京都内で、想定年収900万~1,500万円。ストックオプションは一部従業員利用可としている。

M&Aの対象は、今しばらくは国内各地のタクシー事業者が中心になるものと思われるが、同社は自動運転開発事業にも着手しており、エンドツーエンドモデルの開発を手掛けるMachine Learning エンジニア なども募集している。

ストックオプションの対象となるかは不明だが、各種エンジニア職も能力次第で付与される可能性は高そうだ。今後、自動運転企業としての顔をどのように輝かせていくのか、要注目だ。

Idein:自動運転機械学習エンジニア

エッジAI技術に強みを持つIdeinは、自動運転機械学習エンジニアを募集している。同社は商業施設などの駐車場をターゲットとした低速領域の自動運転の経路生成アルゴリズムの開発を行っており、強化学習とSim-to-Realによるアプローチで開発をより早く進めて機能実現できる人材を求めている。

論文ベースの調査・実装、独自手法の考案・実装、机上でのモデル評価・実験管理、実車両でのモデル評価・実験管理、これらを効率よく行うためのMLOpsの開発を担う。

理工系分野の修士号もしくはそれと同等の経験を有し、PyTorch などの深層学習フレームワークを利用した3年以上のモデル開発経験が求められる。

勤務地は東京都内で、想定年収は882万〜1148万円。ストックオプション制度もある。

GMO Various Robotics:AI開発エンジニア

GMO AI&ロボティクス商事傘下のGMO Various Roboticsは、最適化されたさまざまなロボットの社会実装をミッションとしており、ヒューマノイドロボットなどのほか時速300キロで走行可能なフォーミュラカーの自動運転開発も手掛けている。

進行中の主なプロジェクトは、四足歩行ロボットを用いた自律点検ロボットソリューションや、VLAを用いた建機自動化、四足歩行ロボットを用いた圃場巡回ソリューション――などで、こうした事業に関し、VLAモデルの評価・実装やOpenVLA・π0系モデル・RT-X系の検証、ロボット行動データセットの構築、模倣学習、各種センサーを活用した認識技術の開発などを担う。

ROS/ROS 2を用いたロボット開発経験や、SLAM・経路計画・モーションプランニングのいずれかの開発経験、LiDAR・カメラ・IMUなどのセンサーを活用したロボット開発経験などが求められる。

勤務地は東京都内(本社)で、年収480万円~1,200万円。正社員は福利厚生としてストックオプション制度が用意されている。

LexxPluss:自動搬送ロボットで物流・製造市場に変革を起こすプロダクトマネージャー

出典:LexxPluss公式サイト

物流倉庫などで活躍する自動搬送システムの開発を手掛けるLexxPlussは、プロジェクトマネージャー職を募集している。

顧客課題の発見・要件整理やプロジェクト・プロダクトマネジメント、クロスファンクショナルな協働、プロダクトおよび社内施策の推進などを図っていく。

非エンジニア職で、技術領域におけるプロダクトマネージャーとしての実務経験や、自律移動ロボット(AMR)をはじめとする分散型ロボティクス製品を構成するハードウェアおよびソフトウェア技術に関する基礎的な理解などが求められる。

勤務地は東京都内で、年収800万~1200万円。アピールポイントの一つとして、ストックオプション制度を挙げている。

■【まとめ】ストックオプションは意外と導入されている?

テクノロジー系のスタートアップ・ベンチャーはストックオプションを導入する傾向が高く、採用情報の中に明記されていなくても、福利厚生の一環として制度が用意されていることも少なくないようだ。気になる求人があれば、問い合わせてみるのも良いだろう。

【参考】関連記事としては「自動運転、米国株式・日本株式の投資銘柄一覧」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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