自動運転を国家戦略として積極的に推進している中国で、「自動運転」というワードの使用を禁止する動きが出てきた。
中国政府は自動車メーカーに対し、運転支援機能の広告表現に対する取り締まりを強化し、広告で「自動運転」という表現の使用を禁止する。米メディアが政府と業界関係者との会議の議事録に基づく情報だとして報じている。
中国では自動運転車による死亡事故が起こったばかりで、ADAS(先進運転支援システム)が正しく理解されず、過信が懸念されている状況にある。高度なADASの機能と自動運転機能は、明確に区別する必要がますます高まってきたと言える。
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■「自動運転」という名称の規制
中国政府が新たに策定した規則では、中国で販売する自動車メーカーは広告で「自動運転」といった表現をすることが禁止される。具体的には「autonomous driving(自動運転)」「self-driving(セルフドライビング)」「smart driving(スマートドライビング)」といった用語の使用を禁止する方針が示されている。
また、自動車メーカーがすでに販売済みの車両に対して、ADASの機能をソフトウェアアップデートで改良することも禁止されるようだ。今後はADASのアップグレードや新機能については、導入前にテストを実施した上で政府の承認を得ることが必要になった。
この規制は、ADASに関連する死亡事故の発生や車両の安全性に対する懸念の高まりを受けてのものだという。
■シャオミの死亡事故が起こったばかり
2025年3月末、中国スマートフォン大手Xiaomi(小米科技/シャオミ)製の自動運転車に大学生3人が乗車して走行中、高速道路上でガードレールに衝突し、全員が死亡するという事故が起こった。
事故前にはADASの一種である自動運転モード「NOA(Navigate on Autopilot)」が作動していた。自動運転モードで走行中に障害物を検知し、手動運転に切り替わったものの、その1秒後、減速・回避が間に合わずに衝突した。現実的には人間が1秒間で適切な対応をとるのは難しく、実質的には自動運転モードの事故として大きな問題となっている。
また中国メディアの報道によると、衝突し炎上した際に車のドアが開かなかったことで焼死したと遺族が話しているようだ。
【参考】関連記事としては「中国シャオミの自動運転車で3人死亡 格安スマホ会社製は危ない?」も参照。
■テスラの「FSD」は誤認を招く代表格
米EV(電気自動車)大手テスラのADASである「FSD(Full Self-Driving)」でも、名称についての議論がたびたび起こっている。「Full Self-Driving」は直訳すると「完全自動運転」となる。しかし実際は自動運転システムではなく、ドライバーが常に監視する必要があるADASの機能にとどまる。
米国では、FSDを使用していたテスラのドライバーが歩行者をはねて死亡させた事件や、道路の見通しが悪くなった状況下でFSDが関わったとされる衝突事故が発生しており、米運輸省道路交通安全局(NHTSA)が調査を行ったこともある。そして2024年には名称を「Full Self-Driving (Supervised):フルセルフドライビング(監督付き)」に変更した。
テスラは2025年2月から中国でもFSDの限定バージョンの展開をスタートした。しかしFSDの導入直後から、テスラのドライバーが次々と交通違反で罰金を科される事態となっており、1カ月間の無料トライアルを発表してからわずか1週間後に提供を中止している。
さらに同年3月に中国での名称をFSDから「Intelligent Assisted Driving」に変更している。ADASと自動運転機能を明確に区別する動きは今後も広がっていきそうだ。
【参考】関連記事としては「テスラの自動運転(Autopilot, FSD)とロボタクシー計画を徹底解説」も参照。