部分的自動運転、トヨタ・レクサスのみ「合格圏」 米IIHS調査

「Acceptable(許容できる)」評価を獲得



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出典:Flickr / DennisM2 (CC0 1.0 : Public Domain)

自動車メーカー9社の14の部分的自動運転システムについての評価が米国で行われた。合格点を獲得したシステムは1つのみという結果となった。

この評価を行ったのは米道路安全保険協会(IIHS)で、自動車メーカーがより強固な安全装置を部分的自動運転システムに組み込むことを奨励するため、新たな格付けプログラムを導入したという。テストされたシステムの中で評価がトップであったのは、レクサス「LS」に搭載されている高度運転支援技術「Lexus Teammate」であった。


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▼Partial automation safeguard ratings|IIHS
https://www.iihs.org/ratings/partial-automation-safeguards

■部分的自動運転システムの評価対象

今回評価の対象になったのは、下記14の部分的自動運転システムだ。なお「Genesis」は韓国のヒョンデが展開する高級車ブランドである。

  • Lexus Teammate with Advanced Drive
  • General Motors Super Cruise
  • Nissan ProPILOT Assist with Navi-link
  • BMW Active Driving Assistant Pro
  • Ford BlueCruise
  • Ford Adaptive Cruise Control with Stop & Go and Lane Centering Assist
  • Genesis Highway Driving Assist 2
  • Genesis Smart Cruise Control/Lane Following Assist
  • Lexus Dynamic Radar Cruise Control with Lane Tracing Assist
  • Mercedes-Benz Active Distance Assist DISTRONIC with Active Steering Assist
  • Nissan ProPILOT Assist 2.0
  • Tesla Autopilot, Version 2023.7.10
  • Tesla Full Self-Driving (Beta), Version 2023.7.10
  • Volvo Pilot Assist

「Driver monitoring(ドライバー・モニタリング)」「Attention reminders(注意喚起)」「Emergency procedures(緊急時対応)」「Driver involvement(ドライバーの関与)」「Safety features(安全機能)」という5つの項目を評価した。

このうちDriver involvementについては、「Lane change(車線変更)」「ACC resume(アダプティブ・クルーズ・コントロールの再開)」「Cooperative steering(協同的なステアリング)」について調査した。


■合格圏になったシステムはレクサスのみ

部分的自動運転システムは各項目で、「G:Good(良い)」「A:Acceptable(許容できる)」「M:Marginal(あまり良くない)」「P:Poor(劣っている)」の4段階で評価された。A以上が合格圏と言えそうだ。

その結果、高評価の「G」を獲得したシステムは1つもなかった。レクサス「LS」に搭載されている「Lexus Teammate with Advanced Drive」のみが上から2つ目の段階である「A」という評価を獲得した。「General Motors Super Cruise」と「Nissan ProPILOT Assist with Navi-link」が上から3つ目の段階である「M」評価、そのほかは最低評価の「P」であった。

つまり、「Lexus Teammate with Advanced Drive」が総合トップとなったというわけだ。特に高評価であった項目は、「Attention reminders(注意喚起)」や「Lane change(車線変更)」、「Cooperative steering(協同的なステアリング)」、「Safety features(安全機能)」で、「G」評価であった。そのほかも「A」または「M」で、最低の「P」は付けられていない。

ちなみに、テスラの「Autopilot」や「Full Self-Driving(FSD)」は、「P」と評された項目が多く、総合も「P」であった。


出典:IIHS公式サイト

■トヨタの技術開発は確かなもの

今回の評価において部分的自動運転と表現されているシステムであるが、ADAS(先進運転支援システム)と言い換えることもできる。このシステムを搭載しているクルマは、自動運転車とは言えない。

【参考】関連記事としては「ADASとは?(2024年最新版) 自動運転レベル1〜2に相当」も参照。

IIHSのプレジデントであるDavid Harkey氏は「ドライバーの中には、部分的な自動化によって長時間のドライブが楽になると感じている人もいるかもしれないが、それにより運転がより安全になるという証拠はほとんどない」と指摘し、「システムが適切な安全対策をしていない場合、新たなリスクをもたらす可能性がある」と、今回の結果を憂慮している。

ただし各評価項目において、1つ以上のシステムが好成績を収めていることから、修正は可能であるとしている。場合によっては単純なシステムアップグレードのみで修正を完了させることができる可能性があるとした。

世界の代表的な自動車メーカーの中で、レクサスの部分的自動運転システムの評価がトップであったことは大きなニュースだ。レクサス、そしてトヨタの技術開発が確かなものであることが証明された。今後の開発状況にも注目していきたい。

【参考】関連記事としては「自動運転サポート体制ランキング!アメリカ1位、日本は?」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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