日産、非常に難しい「市街地での自動運転」に挑戦!研究人材を募集中

知能化車両システム開発と実験を担当



日産自動車が市街地の一般道における自動運転の実現のため、車載知能化システムの開発やプロトタイプ車両による自動運転走行実験を実施することが判明した。同社の求人情報から明らかになった。


市街地の一般道での自動運転は、実現が特に難しいと言われている。同社はその技術開発のため、市街地自動運転・車両システムの研究者を募集している。

ちなみに日産は現在、市販車向けに自動運転レベル2に相当する「プロパイロット2.0」を展開している。ただし、自動運転レベル2は先進運転支援システム(ADAS)の域を脱していないため、現時点ではホンダのように自動運転機能を展開できていない。

【自動運転ラボの視点】
自動運転の難易度は、走行環境がシンプルであり、かつ歩行者や自転車などがいない空間の方が難易度が低い。そのため現在、市販車で展開されている自動運転機能は、基本的にシステムの起動環境を高速道路に限定している。市街地では走行中に予期・想定されるシナリオが高速道路に比べて飛躍的に多く、自動運転の難易度が高いわけだ。
■知能化車両システムを開発するポジション

日産は、技術系の研究職として「市街地自動運転・車両システムの研究(一般層 総括職/担当職)」を募集中だ。市街地の一般道における自動運転を実現するため、知能化車両システム開発と実験を担うポジションになる。この研究により得られた成果は、先行車両開発プロジェクトなどに引き継がれていくという。


具体的には、ソフト・ハード両方の自動運転システム開発やプロジェクトマネジメント、パートナー企業との協業を担当する。また、クラウドとの連携を含めたシステム開発や車両適合、シミュレーションや実環境の走行における機能・性能評価と評価に基づくシステム要求機能の作成も担うようだ。

▼[R2311]市街地自動運転・車両システムの研究(一般層 総括職/担当職)|日産自動車
https://recruit.nissanmotor.jobs/job.phtml

■応募資格や求められている人物像は?

応募にあたり、センサ、信号処理、制御の知識や経験、C、C++、MATLAB、Pythonなどでのプログラム開発ができること、計算科学、数理統計学、通信ネットワーク、人工知能などの情報理工学の基礎知識が必須となっている。

さらに、グローバルな環境でチームでの仕事ができ、コミュニケーション能力や折衝調整能力に長けていることも必要とされる。なお、自動車業界での経験は「あれば尚可」とされている。


そのほか、ロボットや車両などの制御開発経験や組み込みシステム開発の実務経験、通信やクラウド活用システムの開発経験、機械学習と人工知能実現に関わる実務経験などを持つ人材が必要とされているようだ。

求める人物像としては、ポジティブ思考で新しいことにチャレンジすることを楽しむことができることが重要だという。また、自ら考え提案や行動を起こすことができたり、高い研究目標値に挑戦しやり遂げる精神力を有したりといったことも挙げられている。

■最先端の自動運転研究に携われるチャンス

今回の求人の勤務地は、神奈川県厚木市の日産先進技術開発センターで、想定年収は約410万~780万円となっている。

自動運転開発により注力するとみられる日産。今回募集しているポジションの魅力の1つは、自動運転車両システムの研究・開発を通して、アイデアを具現化しそれを世の中に出していく経験と醍醐味を得られるということだ。

さまざまな関係者の意見をまとめながらプロジェクトを運営していく経験とスキルが身につくことも期待されている。先進技術開発に携わりたい人は要注目だ。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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