スズキ、空飛ぶクルマ企業SkyDriveとますます「蜜月」に!追加出資を発表

春頃からスズキグループの工場で量産開始へ



出典:Flickr / DennisM2 (Public domain)

空飛ぶクルマ開発で国内最大手の株式会社SkyDrive(本社:愛知県豊田市/代表取締役CEO:福澤知浩)は2024年1月12日までに、シリーズCにおける追加資金調達を実施したことを発表した。

スズキを引受先とした第三者割当増資によるもので、この資金調達により機体開発および製造を加速していくとしている。







SkyDriveとスズキは空飛ぶクルマの製造に向けた協力について、すでに基本合意書を締結済みだ。またスズキは2022年にもSkyDriveへの出資を行っている。今回の追加出資により、両社の関係はますます強固になったと言える。

■SkyDriveとスズキのこれまでの関係

SkyDriveとスズキは空飛ぶクルマの社会実装実現を目指し、連携協定を締結したことを2022年3月に発表した。

SkyDriveは自動車同様の世界最小のコンパクトで電動の空飛ぶクルマの製造を目指して開発を進めており、スズキはコンパクトカーの製造・販売を得意としている。相互の連携を図ることで、四輪・二輪・マリンに続く新しいモビリティである空飛ぶクルマへの事業参入を検討し、多様な選択肢を顧客に提供したいということが背景になっている。

出典:SkyDriveプレスリリース

具体的には、機体開発及び要素技術の研究開発、製造・量産体制および計画、スズキの四輪・二輪・マリンに「空飛ぶクルマ」を加えた新しいモビリティの具体化、インドを中心とした本件対象の海外市場開拓について検討を開始するという内容であった。

同年9月にSkyDriveはシリーズCラウンドで総額96億円の資金調達を実施し、引受先にスズキも名を連ねた。

2023年6月にSkyDriveとスズキは空飛ぶクルマの製造に向け、基本合意書を締結し、10月に進捗を報告している。SkyDriveは空飛ぶクルマ「SKYDRIVE」製造のための子会社「Sky Works」を2023年9月に設立した。この子会社はスズキの協力のもと、スズキグループの工場を活用して最大年間100機の空飛ぶクルマの製造が可能になるという。2024年春頃の製造開始を目指している。

■インドでの事業でも協力関係に

SkyDriveとスズキは2022年3月に連携協定を締結してから、機体開発や要素技術の研究開発、製造・量産体制の計画推進のほか、インドを中心とした海外市場開拓についても連携して行っている。

両社はインドでは、特に観光客が集まる川沿いや海沿いの歴史的建造物があるエリアや、宗教巡礼者の山間部への移動等ユースケース適合度について、検証を行っている段階のようだ。さらに、CO2排出に伴う空気汚染や都市渋滞などの深刻な社会的課題について、スズキがインドで培ってきた日本に対する技術信頼や実績と、空飛ぶクルマが目指すモビリティ革命で貢献するために現地関係者との協議を進めているという。

なおSkyDriveは、2024年1月9〜13日に開催のインド最大規模の投資誘致イベント「バイブラント・グジャラート」で併催される「先端技術見本市」に、スズキと共同出展している。

左側:スズキ代表取締役社長の鈴木俊宏氏/右側:SkyDrive代表取締役の福澤知浩氏。スズキの協力のもと、マルチ・スズキのブース内で、空飛ぶクルマ「SKYDRIVE(SD-05型)」の20%スケールを展示している様子=出典:SkyDriveプレスリリース
■インドでは2027年の実用化を目指す

SkyDriveは、2025年に開催される大阪・関西万博を機に空飛ぶクルマの運用を開始する予定だ。それにあたり、関西電力と充電設備を共同開発していくことも発表している。

2024年1月11日には、SkyDriveはインドのグジャラート州政府と空飛ぶクルマの社会実装を戦略的に推進させるためのパートナーシップ契約を締結したことを発表した。2027年をめどに、インド国内で現在開発中のSKYDRIVEの社会実装を目指すという。また、すでに米国市場への参入も表明している。

国内のみならず、海外でも空飛ぶクルマの実装を進めるSkyDriveの今後に、引き続き注目だ。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)









関連記事