日産、「モップ」を自動運転化!手放し運転技術を活用

「ProPILOT 2.0」から着想を得た取り組み



出典:日産

バレーボールの国際大会「FIVBパリ五輪予選/ワールドカップバレー2023」が、2023年9月16日に日本で開幕した。その開幕イベントで、なんと「自動運転モップ」なるものが披露されたという。

これを開発したのは日産自動車で、同社は女子大会に特別協賛している。開幕戦が行われる直前の応援練習をさらに盛り上げるために、自動運転モップによるショーが考えられたという。


自動運転モップ「ProPILOT MOP」は、日産の先進技術「ProPILOT 2.0」から着想を得たもので、2022年10月に開催された「NBA Japan Games 2022 Presented by Rakuten&NISSAN」のファンイベントで世界初披露された。

■モップがダンスするように自動運転

今回の大会でProPILOT MOPは、清掃員が手に持って登場したがすぐに手から放れ、自動で動くというパフォーマンスになっている。ProPILOT MOPはモップの柄(え)の部分が立ち上がったまま自動で移動し、方向転換や停止も音楽に合わせ華麗に行った。ライトも搭載されているようだ。

その様子は、日産の公式YouTubeで公開されている。


■高速道路で手放し運転を実現するProPILOT 2.0

ProPILOT MOPの技術の基となっているProPILOT 2.0は、日産の最新ADAS(先進運転支援システム)だ。2019年5月に発表され、同年9月に発売された新型「スカイライン」に初搭載された。現在は「アリア」「セレナ」にも搭載されている。

ProPILOT 2.0は、高速道路の複数車線をナビシステムと連動して設定したルートを走行し、運転手が常に前方に注意して道路・交通・自車両の状況に応じ直ちにハンドルを確実に操作できる状態にある限りにおいて、同一車線内で手放し運転、いわゆるハンズオフが可能となる運転支援システムとなっている。

車両に設置してある7個のカメラや5個のレーダー、GPS(全地球測位システム)のほか、3D高精度地図データ(HDマップ)などを活用して自車位置の把握を行いながら、周囲の車両の動きをリアルタイムで検知することなどで、ハンズオフでの滑らかな運転が可能になるという。

■今後もProPILOT 2.0技術の応用に期待

日産は2022年10月に披露されたProPILOT MOPのパフォーマンスについて、日産の先進運転支援技術である「ProPILOT 2.0」をより分かりやすく理解していただくためとしていた。


このProPILOT MOPは、あくまでパフォーマンスのために開発されたものかもしれないが、技術を応用するとさまざまな身近な日用品も自動化できるのかもしれない。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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