LINE上でタクシー配車!パーソルとNearMe、テスト導入を開始

配車アプリをインストールする必要なし



出典:NearMeプレスリリース

タクシーを配車するには、従来のようにタクシー会社に電話をする方法があるが、近年は新たなタクシー配車アプリが相次いで登場し、スマートフォンにアプリをインストールしてタクシーを呼ぶ人も増えてきた。電話をする手間が省け、ユーザーにも好評だ。

そんな中、タクシーの配車がさらに便利になりそうなサービスが8月から始まるらしい。LINEでタクシー事業者の公式アカウントを「友だち追加」するだけで、タクシーの配車もしくは配車予約が可能になるというサービスだ。


MaaSベンチャーのNearMeと、総合人材サービスを手掛けるパーソルグループのパーソルプロセス&テクノロジーによる取り組みだ。

■LINEさえ利用可能であれば…

この両社は8月から、AI(人工知能)とLINEを活用した「配車サービス」という名称のサービスを本格提供する計画だという。本格提供を前に、一部のタクシー事業者に対して同サービスを導入するテストを開始することをこのほど発表している。

配車サービスを利用するユーザー視点でこのサービスを見た場合、タクシー配車アプリを新たにスマホにダウンロード・インストールしなくても、LINEが利用可能であれば簡単にタクシーの配車を行うことができるようになるというのが最大のメリットだ。

プレスリリースによれば、タクシー事業者を「友だち追加」したあと、「乗車地」「行き先」「乗車人数」などを入力し、その後、「今から呼ぶ」「日時指定」のどちらかを選択するだけで、配車の手配が完結するという。


ユーザーがより便利にこのサービスを利用できるように、配車される車両のナンバーや到着予定時刻、大体のタクシー料金なども事前に示される仕組みにした点も特徴だ。以下がLINE上での配車方法のイメージ画像となっている。

出典:NearMeプレスリリース
■タクシー事業者にとってのメリットも

NearMeによれば、タクシー事業者にとっても同サービスを導入するメリットがあるという。メリットとして挙げられているのは以下の2点だ。

  • 業務の効率化を実現しDXを推進
  • LINEと組み合わせることでオンライン配車サービスを安価で提供

1つ目のメリットについては「これまでタクシー事業者が手作業で行っていた配車作業がシステム上で自動化されるため、電話などの受付業務の時間が短縮され、生産性の向上に寄与します」と説明されており、タクシー業界における人材不足の課題の緩和にもつながるとしている。

2つ目のメリットとしては、アプリ開発などのコストがかからないことから、配車サービスの拡充を安価に実現できる点が強調されている。


■将来的には自動運転タクシーもLINE上で?

現在、タクシー配車アプリとしては、「Uber」や「DiDi」、「S.RIDE」、「GO」(JapanTaxiとMOVが統合したアプリ)などが展開されている。LINEでタクシーの配車が可能な今回発表のサービスは、これらの既存の配車アプリの運営会社にとっては脅威となる可能性もある。

また、タクシー配車システムが将来的に展開を見据えているのは当然、自動運転タクシーの配車であり、LINE上でいずれ自動運転タクシーを呼べるようになるのかも今後の注目点と言えそうだ。

【参考】関連記事としては「「第4の公共交通」目指すNearMe、シリーズBで13億円調達」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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