「第4の公共交通」目指すNearMe、シリーズBで13億円調達

独自AI搭載の「スマートシャトル」展開



出典:NearMeプレスリリース

独自開発のAI(人工知能)を活用した「スマートシャトル」の展開企業であるNearMe(ニアミー)は2023年3月8日、シリーズBの累計の資金調達額が約13億円に達したことを発表した。

このほど、第一生命保険や大林組、三井不動産などを引受先とした第三者割当増資と、日本政策金融公庫からの借入により、シリーズBセカンドクローズにて総額約7億円の資金調達を行い、この金額も「約13億円」という金額に含まれている。


なおシリーズBを含めた同社としての現在までの累計調達額は約23億だという。NearMeは報道発表で「引受先企業との協業を通じて『第4の公共交通機関』を目指す」としている。

■ルーティングの最適化技術を搭載

NearMeは2017年創業。同社はタクシーの実車1回あたりの乗車人数や実車率が低いことに着目し、タクシーをシェアすることによりお得でスムーズな移動体験を提供する「スマートシャトル」というサービスの展開を開始している。

このスマートシャトルでは独自開発のAIを活用し、ルーティングの最適化技術を搭載している。

空港送迎版スマートシャトル「nearMe.Airport(ニアミーエアポート)」のサービスは2019年から提供しており、同社によれば、全国の空港13カ所とその周辺都市をドアツードアで結び、すでに延べ30万人以上のユーザーの利用実績があるという。


今回の資金調達によって、nearMe.Airportを中心としたスマートシャトル事業のマーケティング活動を強化し、サービス認知と利用拡大を目指していく考えのようだ。

プレスリリースでは「スマートシャトルサービスを、日々の暮らしに寄り添うサービスに発展させることで、電車、バス、タクシーに次ぐ『第4の公共交通機関』となることを目指していきたいと考えています」ともしている。

■社会の様々な「もったいない」を探す

社会の様々な「もったいない」を探し、現在はタクシーの移動におけるもったいなさに着目してサービスを展開しているNearMe。今後のさらなるビジネスの拡大に向け、シリーズCやシリーズDの資金調達も同社は順次実施していくものとみられる。

【参考】関連記事としては「MaaSの注目ベンチャーNearMe、最新決算では純損失2.2億円」も参照。


記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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