オーストラリアのLiDARスタートアップ「Baraja」(バラハ)が、大規模なレイオフを行ったようだ。海外ニュースサイトによると、従業員の75%を解雇したという。
現在GoogleやMicrosoftなどのビックテックをはじめ、世界のIT業界ではコスト削減のための人員整理や業務縮小などの動きが見られる。自動運転関連でも、自動運転トラック開発の中国系スタートアップTuSimpleや、自動運転配送ロボ開発の米Nuroなどがここ数カ月相次いでレイオフを発表している。
■2015年設立のBaraja、米中にも拠点
Barajaは通信業界出身の2人により2015年にオーストラリアのシドニーで設立され、上海やサンフランシスコにも拠点を持つ。2018年には、光ファイバー通信の原理を応用したシンプルな自動運転車用センサーを発表している。
同社のLiDARは「Spectrum-Scan」技術により、リアルタイムに点群の密度をコントロールすることが可能となっている。この技術は、周波数を変えることによりプリズムを通過した時のレーザーの屈折角が変わる原理を応用しており、従来のLiDARでは不可能なスケーラビリティや信頼性、車両統合、パフォーマンスの問題に対応しているとされている。
■次世代LiDAR開発に注力する方針か
報道によると、今回のBarajaのレイオフは自動運転業界をめぐる数年先の見通しの変化を念頭に置いたものであるとしている。未来に向けた画期的なLiDAR製品を顧客に提供するため、過去に開発した製品の規模を縮小し、次世代LiDAR開発により注力するとしている。
具体的には、オーストラリアと米国のエンジニアリングチームを再編し、Spectrum-Scanをベースにした量産型低コストの次世代LiDAR「Spectrum HD 2025」の開発を進めるようだ。
ちなみにBarajaは2023年1月に、自動運転ソフトウェアなどを手がけるスウェーデンのVeoneerから出資を受けたことを発表している。Veoneerは70社のLiDAR技術を広範囲にテストし、Barajaをパートナーに選んだという。同社の今後に注目したい。
▼Baraja公式サイト
https://www.baraja.com/en
【参考】関連記事としては「豪LiDARスタートアップ「Baraja」、中国系VCなどから約35億円を資金調達」も参照。