地味に重要!自動運転車と信号の連携、住友電工が取り組み

万博会場への来場者輸送見据え



出典:住友電気工業プレスリリース

住友電気工業は2023年1月18日までに、2025年実施予定の大阪・関西万博会場への来場者輸送を見据えた自動運転バス運行の実証実験に参画することを発表した。この実証実験は、大阪メトロが実施するものだ。

交差点で自動運転車両が安全に確実に通過・停止するためには、信号機と自動運転車の連携が欠かせない。今回は公道上の交通信号情報と、GPSが受信しづらい場所で自動運転車が走行経路を認識できるようにする路面用の塗料を活用して、「自動運転レベル2」の走行実証を行う。


住友電工は、夢洲や舞洲などの公道上での自動運転走行の実証に必要不可欠な交通信号情報の提供を担う。交通信号情報提供用機器を整備して、700MHz帯無線通信を使い、「ユニバーサルスタジオ西」交差点の交通信号機の灯色情報を自動運転バスに提供するという。実証は2023年1月中旬〜31日に実施される予定で、バスは桜島駅から舞洲間を走行する。

■Mobility Technologiesなども取り組み

信号と自動運転に関する取り組みとしては、交通サービス大手のMobility Technologies(旧JapanTaxi)が、信号機から自動運転車両への信号情報の配信する実証実験に繰り返し参加している。

2021年2〜3月には、春日井市と名古屋大学が共同で行うラストマイル自動運転車両の実証において、信号機から自動運転車両への信号情報の配信を担当した。このとき使用されたのは、時速20キロ以下で自動走行する「ゆっくりカート」と「ゆっくりミニバス」で、春日井市の高蔵寺ニュータウン内を走行した。

【参考】関連記事としては「自動運転実証、「信号制御機に接続する無線装置」に関する申請要領とは?」も参照。


■安全で円滑な道路交通に貢献

地味ではあるが、信号情報はコネクテッド化が進む従来型の手動運転車にとっても、有益で重要な情報だ。無線や通信規格、セキュリティ対策などクリアすべき課題は多そうだが、信号機と自動運転車の連携は、安全で円滑な道路交通に貢献する技術になることは間違いない。

引き続き、信号機と自動車の連携がどう発展するのか注目していきたい。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)





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