米GM傘下で自動運転タクシーを展開するCruiseはこのほど、2025年までにサンフランシスコ市を含む米国全土で、現在の50倍となる5,000台のロボタクシーの導入を目指す計画を発表した。しかしこの発表に、サンフランシスコ市側は難色を示している。
なぜか。Cruiseによる大規模な自動運転車両の導入は、交通を悪化させる可能性があると考えられているからだ。安全性を心配する声もある。
■2025年5000台体制に向けて・・・
Cruiseは、現在の保有数100台未満のロボタクシーを、2025年までに5,000台まで増やしたい考えだ。ちなみに現在は、シボレー・ボルトにCruiseの自動運転システムを搭載した車両をロボタクシーとして稼働させている。
将来的には、ハンドルやペダル類がない新車両「Cruise Origin(クルーズ・オリジン)」も導入し、関連事業で2025年までに売上高10億ドル(約1,450億円)を達成することを目指している。
ちなみにOriginは既存のシボレー・ボルトをベースにした車両とは異なり、自動運転車としてゼロから設計・開発された車両だ。
■サンフランシスコ市当局の不安
サンフランシスコ市交通局らが懸念しているのは、冒頭触れた通り、Cruiseの自動運転車が引き起こすと予想される交通渋滞、そして安全面だ。
市当局はCruiseがサービス開始以来、同社の自動運転車が不規則な運転を行ったり、一般道や幹線道路で立ち往生して交通を遮断したりと、さまざまな事案を見てきた。
特にCruiseが新たに導入しようとしているOriginはハンドルもペダルもないため、道路で立ち往生したときに人間の手によって迅速な車両の移動などができるか、心配しているようだ。
【参考】関連記事としては「GM系自動運転車が交通遮断!「中に誰もいない!」と騒動に」も参照。
■事業拡大に「黄信号」灯る?
確かにCruiseの自動運転車に関しては、さまざまなトラブルが最近報じられている。一方でWaymoの自動運転車が問題を起こしたというニュースはあまり目にしない。
市当局はいま、Cruiseに厳しい目を向け始めている。事業拡大に向け、「黄信号」はすでに灯りかけている。
▼Cruise公式サイト
https://getcruise.com/
【参考】関連記事としては「Cruise内部からの手紙「自動運転タクシーに多数の懸念」」も参照。