英国政府、2023年に自動運転普及を見据え法整備へ

まず高速道、そして一般道でも解禁か



イギリスで自動運転車の実用化に向けた機運が高まっている。イギリス政府は、高速道路における自動運転車や自動運転トラックの走行を2023年中に可能にすることを計画しており、その後の普及も見据え、法整備に乗り出す方針のようだ。


まずは高速道路で自動運転を解禁し、その後、一般道を走行する公共交通としての自動運転バスや、配送に使われる自律走行ロボットにも認可の裾野を広げ、2025年までにさまざまな自動運転車や自律走行ロボットがイギリス国内で走行できるようにする計画だという。

報道によれば、イギリス政府は自動運転関連の民間のプロジェクトを支援するための資金を増額し、これまでの4,000万ポンド(約67億円)に2,000万ポンド(約33億円)を積み増したという。

【参考】関連記事としては「自動運転、欧州(ヨーロッパ)法律動向」も参照。

■「雇用の創出」という狙いも

イギリス政府が普及を急ぐのは、「雇用の創出」という狙いもあるからだ。自動運転関連市場の有望性を考えると、イギリス国内で自動運転市場が盛り上がりを見せることで、技術開発や車両製造を含むさまざまな職種で雇用の創出が見込めると考えているようだ。


イギリス運輸省は、最大3万8,000人の雇用が創出されると分析している。運輸省のグラント・シャップス長官は「この産業自体が国内に何万もの雇用機会を創出する」としている。

シャップス長官はもちろん、交通事故の防止にも自動運転車の普及が寄与すると考えており、「最も重要なことは、運転手の運転ミスによる交通事故の危険性を減らし、道路をより安全にすることが期待されていることだ」とも述べている。

■世界で進む関連法の整備

報道によれば、自動運転の普及を進めるための法案は、今後早い段階で議会に提出される可能性があるという。自動運転に関しては日本を含め、世界で法整備が進んでいる。イギリスも同様の流れとなっていきそうだ。

【参考】関連記事としては「自動運転と法律・ガイドライン(2022年最新版)」も参照。


記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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