スコットランド、乗客を乗せた自動運転シャトルが初運行

車両は日本でもおなじみのNavya製



出典:Navyaプレスリリース

世界各国で社会実装が進む自動運転バス。イギリス北部スコットランドでもこのほど、乗客を乗せての自動運転シャトルバスの運行が実験的に始まった。同国ではこれまでも自動運転シャトルの実証実験が行われていたが、乗客を乗せての運行は今回が初となるようだ。

運行に使用されるのは、日本でもおなじみのメーカーである仏Navyaの自動運転シャトルだ。実証は2023年3月まで続く予定だという。


■主な乗客は学生や職員などを想定

自動運転シャトルは、スコットランドのハイランド地方で約3.2キロの区間を走行する。走行するのは、公共交通機関と歩行者、自転車のみが利用できる道路で、運行時間は午前10時~午後4時で、10月までは運賃は無料だ。

主な乗客は学生や職員などを想定しているが、より多くの人に利用してもらうため、今後、地元の学生なども見学に招きPRをしていくという。

今回の実証実験は、サービスを運営するバス事業者のStagecoach、ハイランド地方議会などを含め、官民の多くの団体が協力して実施されているようだ。

ちなみにスコットランドでは、2022年4月にも自動運転バスの実証実験が行われた。その際には、自動運転システムを開発する英Fusion Processingの技術を搭載した自動運転レベル4の大型バスで、セーフティードライバー同乗の上、乗客なしでの実証実験が2週間行われた。


■使用するのはフランス企業Navyaの車両

シャトルの乗車定員は15人。自動運転ではあるものの、乗客に安心感を与えたり、状況に応じて車両をコントロールしたりできるよう、オペレーターも同乗するという。

車両を製造するNavyaは2014年設立のフランス企業で、「ファースト&ラストマイル」をテーマに自動運転ソリューションの開発に取り組んでいる企業だ。

同社の自動運転シャトルなどはすでに20カ国以上で導入実績があり、アメリカやシンガポール、UAEのアブダビ、スイスのシオンなどのほか、日本でも茨城県境町や羽田イノベーションシティでNavyaの自動運転車が導入されている。

■英国における動きに引き続き注目

英国でも自動運転車実用化の動きが本格化してきた。自動運転の分野で米国や中国などに遅れをとっているように見える英国だが、今後はどうか。引き続き、イギリスにおけるさまざまな関連プロジェクトに注目していきたい。


記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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