日本車の自動運転レベル(2022年最新版)

レベル2の標準仕様化が進展、ハンズオフも拡大



ADAS(先進運転支援システム)を含む自動運転技術の搭載が、自家用車分野で拡大している。条件付き自動運転を実現するレベル3の搭載が一部車種でスタートしているほか、ハンズオフ運転を可能にする高度なレベル2搭載車種も続々と登場している。

では、日本車メーカーの各市販車は実際どのレベルにあるのか。この記事では、売れ筋モデルやフラッグシップモデル、注目モデルなどをピックアップし、現在の技術水準に迫る。







トヨタ
最も売れている「ヤリス」は?
出典:トヨタ公式サイト

日本自動車販売協会連合会が発表している乗用車ブランド通称名別の販売台数(軽乗用車を除く)で、2022年1~6月期のトヨタブランドにおいて1位(8万1,580台)を獲得したのはトヨタのコンパクトカー「ヤリス」だ。次世代プラットフォーム「TNGA」をベースに4種のパワートレーンを用意しつつ、手ごろな価格帯を実現した新規格の普及モデルだ。

ヤリスには、最新の「Toyota Safety Sense」をはじめ、高度駐車支援システム「Advanced Park」もトヨタ車で初めて搭載されている。

車速に応じた追従走行をサポートするレーダークルーズコントロールや衝突被害軽減ブレーキ、車線間の中央を走るようステアリング制御をサポートするレーントレーシングアシストが備わっているため、自動運転レベル2に相当するものと思われる。

フラッグシップ「クラウン」は?
出典:トヨタ公式サイト

長い歴史を有するフラッグシップ「クラウン」。現行の15代目は「Toyota Safety Sense」を搭載し、レーダークルーズコントロールやレーントレーシングアシスト機能を確保している。ヤリス同様、レベル2に相当する。

2022年7月に発表された最新型の16代目は、クロスオーバー、スポーツ、セダン、エステートの異なる4タイプが用意され、第1弾のクロスオーバーは2022年秋ごろ発売予定とされる。

新型には、「Toyota Safety Sense」とともにトヨタ チームメイト「アドバンストドライブ(渋滞時支援)」「アドバンストパーク 」が設定されている。

アドバンストドライブは、高速道路・自動車専用道路走行時の運転負荷を軽減するもので、ハンズオフ運転を可能にする高度レベル2を実現する。アドバンストドライブは、2022年1月発売の「ノア/ ヴォクシー」で初搭載されている。

なお、渋滞時支援の断りがない「Advanced Drive 」は、FCV「MIRAI」とレクサス「LS」に設定されている。

クラウンに話を戻すが、同モデルがトヨタを代表するフラッグシップであることは自他ともに認めるところだ。だからこそ、トヨタ初のレベル3はクラウンに搭載されるのでは?――と推測する動きもある。憶測ではあるものの、ソフトウェアアップデートでレベル3に対応する可能性も十分考えられるため、発売後の動向にも注目したいところだ。

バッテリーEV「bZ4X」は?
出典:トヨタ公式サイト

2022年に満を持してKINTO限定で取り扱いを開始したバッテリーEV(電気自動車)「bZ4X」は、レーダークルーズコントロールとレーントレーシングアシストを備えるレベル2と、トヨタ チームメイト「アドバンストパーク」にとどまる。

縦・横制御を支援するレベル2はほぼスタンダード化している状況で、今後はハンズオフが可能な高度レベル2の普及や、レベル3初搭載車に注目が集まることは間違いない。

日産
最も売れている「ノート」は?
出典:日産公式サイト

2022年1~6月期に最も売れた日産車は「ノート」だ。5万6,948台で全体の4位につけている。現行型となる3代目は2020年に発売された。

3代目には、コンパクトカーとして「プロパイロット」が初搭載されたほか、全方位をカバーする先進安全技術「360°セーフティアシスト」が搭載されている。

プロパイロットはナビリンク機能付で、インテリジェントクルーズコントロールやハンドル支援といったレベル2要件を満たす機能を備えている。ナビと連動することで、カーブでの車速コントロールアシストなども可能としている。

フラッグシップ「シーマ/フーガ」は?
出典:日産公式サイト

日産のフラッグシップセダン「シーマ」や「フーガ」は、現行型へのフルモデルチェンジがそれぞれ2012年、2009年と古く、2019年のマイナーチェンジでインテリジェントエマージェンシーブレーキなどが備わったにとどまる。つまりはレベル1だ。

両車とも2022年夏に生産終了する方針が報じられており、今後、高級車路線はスカイラインなどに統一されていくのかもしれない。

プロパイロット2.0を搭載する「スカイライン/アリア」
出典:日産公式サイト

日産が誇る高級車の一角「スカイライン」は2019年、国産車初のハンズオフ機能を備えた「プロパイロット2.0」を搭載し、高度なレベル2市場を開拓した。

プロパイロット2.0は、高速道路や自動車専用道路においてドライバーが設定した車速を上限に、先行車両との車間距離を保ちながら車線中央付近を走行する運転操作や車線変更操作を支援する。

プロパイロット2.0はその後、クロスオーバーBEV(純電気自動車 )「アリア」にも搭載されている。今後、搭載車種をどのように拡大していくのか、また、レベル3を実現する「プロパイロット3.0(仮称)」の登場はいつ頃になるのか、要注目だ。

ホンダ
最も売れている「フリード」は?
出典:ホンダ公式サイト

2022年1~6月期に最も売れたホンダ車は、コンパクトミニバン「フリード」(4万3,827台)だ。2016年にフルモデルチェンジされた現行型は「Honda SENSING」を標準装備しており、アダプティブクルーズコントロールやレーンキープアシストなどの各種機能を備えたレベル2仕様となっている。

フラッグシップ「レジェンド」は?
新型LEGEND=出典:ホンダプレスリリース

ホンダのフラッグシップモデル「レジェンド」は、2021年3月に発売された100台限定リースモデルに最新ADAS「Honda SENSING Elite」を搭載しハンズオフ運転を実現したほか、レベル3技術「トラフィックジャムパイロット(渋滞運転機能)」で世界初の自家用車における自動運転を実現した。

限定のため2022年1月に販売終了となったが、今後、新たな国際基準に合わせ進化したレベル3搭載モデルを改めて販売する可能性が高い。レベル3のパイオニアとして引き続き注目だ。

なお、「Honda SENSING Elite」も今のところ搭載車種はレジェンドに限られる。こちらも対象車種の拡大に注目したい。

■スバル
最も売れている「フォレスター」は?
出典:スバル公式サイト

2022年1~6月期に最も売れたスバル車は、根強い人気を誇るSUV「フォレスター」(1万2,643台)だ。現行の5代目モデルは2018年に登場し、全車速域追従機能付クルーズコントロールなどを備えた「アイサイトツーリングアシスト」を装備している。高速道路などで時速120キロ未満で走行中、アクセル、ブレーキ、ステアリング操作をアシストするレベル2機能だ。

フラッグシップ「レガシィ/アウトバック」は?
出典:スバル公式サイト

2020年に受注を終えたレガシィに代わり、フラッグシップモデルとしての地位を固める「アウトバック」。2021年登場の現行モデルには、レヴォーグに搭載されている最新ADAS「アイサイトX」が装備された。自動車専用道路における渋滞時、時速50キロまでハンズオフ運転を行うことを可能にしている。

BEV「ソルテラ」は?
出典:スバル公式サイト

トヨタと共同開発し、「bZ4X」とベースを共有するスバル初のBEV「ソルテラ」は、アイサイト非搭載となっている。

スバル特有のステレオカメラは搭載されず、代わりにトヨタが採用する単眼カメラ方式による「SUBARU Safety Sense」が装備されている。レーダークルーズコントロールやレーントレーシングアシストなどレベル2要件を備えている。トヨタの技術を踏襲した格好だ。

■【まとめ】ハンズオフやアイズオフ技術の普及に注目

衝突被害軽減ブレーキの搭載が義務化され、レベル1はすでに標準仕様となっているが、各社のADASパッケージにはクルーズコントロールとレーンキープアシストを組み合わせた初歩的なレベル2が備えられているケースが多く、続々とレベル2搭載モデルが増加している状況だ。

やはり、今後の焦点はハンズオフを可能にする高度なレベル2と、条件付きでアイズオフ運転を可能にするレベル3の動向だ。この10年間でレベル1、レベル2に相当するADASが大きく普及したように、ハンズオフ、アイズオフを可能にする技術も普及レベルとなる可能性がある。

レベル3市場などで海外勢が追い上げを見せる中、国内メーカー各社もさらなる技術の高度化・汎用化を進め、存在感を発揮してほしい。

【参考】関連記事としては「自動運転レベルとは?」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)









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