「サービス売上」の伸び鮮明!自動運転シャトルの仏NAVYA、前年比23%増

ライセンス販売やメンテナンス収入が柱に?



出典:NAVYAプレスリリース(※クリックorタップすると拡大できます)

ハンドルのない自動運転シャトル「ARMA」を開発する仏NAVYAは2022年3月16日までに、2021年の業績を発表した。

2021年の売上高は前年比5%増の1,016万ユーロ(約13億2,000万円)。売上高の内訳は「車両部門」が604万ユーロ(約7億8,000万円)、「サービス部門」(ライセンス販売やメンテナンスなどの収益)が412万ユーロ(約5億4,000万円)だった。


売上高の金額としては車両部門の方が大きいものの、車両部門の売上高は2020年と比べ17%減、一方でサービス部門の売上高は23%増となっている。この傾向が続けば、NAVYAは車両販売というより、サービスの提供で稼ぐ企業という印象が強くなっていきそうだ。

ちなみにシャトルの販売台数は、2020年は23台、2021年は19台だったという。2021年12月31日時点のキャッシュポジション(手元資金)は1,570万ユーロ(約20億4,000万円)だとしている。

■サウジアラビアの「コンサルタント」に?

2014設立のNAVYAは母国フランスのほか、米国とシンガポールにも拠点を持ち、2018年7月にユーロネクスト・パリ証券取引所に上場している。NAVYAの自動運転シャトルは2021年12月末時点で、日本を含む世界25カ国で200台以上が稼働している。

特筆すべき点の1つに、中東でのシェアが高いことがある。サウジアラビアなど中東6カ国におけるシェアは約75%に達している。サウジアラビアでは自動運転シャトルを6台運行させている。


そしてこのほど、サウジアラビア政府の自動運転車の導入を支援することを発表している。NAVYAが開発する自動運転シャトルや、物資輸送向けの自動運転トラクターを導入するためのサポートを行っていくという。

これは言うなれば、NAVYAがサウジアラビア政府のコンサルタントになったようなものだ。引き続き、NAVYAの事業展開に注目していきたい。

▼NAVYA公式サイト
https://navya.tech/en/

【参考】関連記事としては「自動運転バス・シャトルの車種一覧(2022年最新版)」も参照。


記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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