米Cruise、自動運転事業に1日7億円超!妥当な先行投資?

GM傘下でロボットタクシーを展開



出典:GM Cruise公式サイト

米GM傘下で自動運転開発を手掛けるCruiseが2022年第2四半期(2022年4〜6月)に使い切った金額が、5億ドルに上ることが明らかになった。米メディアが報じている。

現行レートで日本円に換算すると、90日間で約670億円、毎日なんと約7億4,000万円使っている計算になる。


■お金がかかる自動運転事業

自動運転システムの開発や実証実験、そして車両に搭載するセンサー類にはもちろん多額の費用がかかる。さらに、Cruiseはカリフォルニア州で自動運転タクシーサービスを開始したこともあり、これだけの金額が第2四半期にかかっているということだろうか。

GMは、2030年までに年間収益を2倍にするプランを2021年10月に発表している。その発表の中で、Cruiseは自動運転サービスの分野で市場をリードする立場にあり、10年後までに年間500億ドル(約6兆6,000億円)の収益を実現する可能性があるとしている。

これだけの収益を実現するのであれば、「1日に約7億4,000万円」という現在の先行投資も、決して高すぎるとは言えないのかもしれない。

■短期的にさらにコストが増える?

ただし、短期的にはさらにコストが増大するかもしれない。同社の自動運転技術については、急いで修正を迫られそうな事態になっているからだ。


2022年5月と6月、Cruiseの自動運転タクシーによるトラブルが起きている。同社のドライバーレスの自動運転タクシーが公道で停車し、複数の車線をふさいでしまったという問題だ。

米カリフォルニア州公益事業委員会(CPUC)に対しては、商業利用にはまだ準備が整っていないとするCruise内部の人物からの告発もあった。

「1日に約7億4,000万円」という金額は、さらに増大していくのだろうか。

▼Cruise公式サイト
https://www.getcruise.com/


【参考】関連記事としては「米国初!Cruise、自動運転タクシーを海外に「輸出」へ」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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