韓国ヒョンデ、自動運転タクシーの試験運用開始

レベル4搭載のEV「IONIQ 5」を使用



出典:Hyundaiプレスリリース

韓国の大手自動車メーカーである現代自動車(ヒョンデ)は2022年6月14日までに、自動運転タクシーサービス「RoboRide」(ロボライド)の試験運用を開始したことを発表した。

自社開発の「レベル4」の自動運転機能を搭載したEV(電気自動車)「IONIQ 5」2台を活用しており、ソウル市で最も混雑するエリアの1つである江南が運用エリアだ。


【参考】関連記事としては「自動運転レベルとは?定義・呼称・基準は?」も参照。

■まずヒョンデ社員が乗客、最大3人乗車可能

今回の試験運用では、韓国当局から一時的な自動運転での走行許可を取得している。運用は月〜金曜日の午前10時〜午後4時に行われ、緊急時に対応できるようセーフティードライバーが同乗する。

車両には最大3人まで乗車可能で、まずはヒョンデの社員を乗客とするが、いずれは一般にも対象を拡大していくという。

この自動運転タクシーサービスは、信号と自動運転車を連携するシステムや、遠隔制御システムにより安全性を確保している。


なお試験運用は、AI(人工知能)を活用したカーヘイリングモビリティプラットフォーム「i.M.」を運営する韓国のスタートアップであるJin Mobilityとの協業により行われている。

報道によると、本格的なサービス開始は8月の予定で、それまでに走行安定性など自動運転行技術の開発をさらに進めていく予定だという。

■予定通りに自動運転タクシー事業が前進

ヒョンデは2021年2月にIONIQ5を世界に向けて公開している。それと同時に、自動運転レベル4相当の車両を用いてソウルで自動運転タクシーのサービスを展開する予定であることを明かしていた。

そして今回、自動運転タクシーサービスの試験運用が開始されたということから、予定通りに自動運転タクシー事業が前進しているということが分かる。


自動車メーカーとして自動運転タクシー事業にも乗り出したヒョンデ。車両を製造するだけではなく、サービスの提供にも果敢に挑戦し始めたということだ。同社の今後の展開に引き続き注目していきたい。

【参考】関連記事としては「韓国ヒュンダイ、2022年に自動運転レベル3の市販車を発売へ」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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