自動運転の「視覚」に強み!中国MINIEYE、上場間近か

シリーズDで累計1.2億ドルの資金調達



出典:MINIEYE公式サイト

自動運転技術の要であるセンシング技術の開発を手掛ける中国のMINIEYE(深圳佑駕創新科技)は、シリーズDラウンドでの資金調達を完了したことをこのほど発表した。シリーズDはIPO(新規株式公開)が意識される段階だ。

資金調達ではCathay Capitalをリードインベスターとして、NIO Capital傘下のJinning Fundや香港を拠点とするShenwan Hongyuaが参加した。合計3回に渡るシリーズDラウンドで、同社は累計で1億2,000万ドル(約160億円)を超える巨額な資金を調達した。


■2013年設立のMINIEYE、深センに拠点

2013年設立のMINIEYEは中国・深センに拠点を持ち、自動運転システムの車両視覚認識技術を開発している。いわゆるセンシング技術だ。

ディープラーニング(深層学習)を用いた独自の「視覚アルゴリズム」を開発しており、天候や道路状況が複雑・多様でも安定した視覚認識性能を発揮し、悪天候でも安全な自動運転を可能にするという。

ちなみに同社は主に4つの技術開発に注力してきた経緯がある。環境センシング(道路状況向けの視覚認識システム)、キャビン内センシング(車内のドライバーや乗客の動きをモニタリングするシステム)、センサーフュージョン、組込型ニュートラルネットワークだ。

現時点で展開しているソリューションとしては、ADAS(先進運転支援システム)「iSafety」、ナビゲーション補助システムの「iPilot」などがある。


■中国のEVメーカーなど40社以上と提携

MINIEYEはすでに中国EV(電気自動車)メーカー大手であるNIOやHozon Auto、BYDなど中国を中心に、自動車や関連のメーカー40社以上と提携しており、さまざま自動運転プロジェクトにも関与している。

今後、上場話が出てくるのかも含め、同社の動きに注目していきたい。

▼MINIEYE公式サイト
https://www.minieye.cc/

【参考】関連記事としては「自動運転業界のスタートアップ一覧」も参照。


記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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