中国の自動運転ベンチャーであるWeRideは2022年6月3日までに、独自動車部品大手のボッシュから戦略的投資を受けたことを発表した。投資金額は非公開となっている。両社は戦略的協力協定を締結し、自動運転ソフトウェアの共同開発にも乗り出すという。
■戦略的協力協定の目的は?
今回の協定により、両社は「WeRide ONE」とボッシュが開発した先進運転ソリューションをベースに、データ駆動型の「知能運転ソフトウェア」を共同開発し、中国のOEMメーカー(完成車メーカー)に提供していくという。このソフトウェアは自動運転レベル2〜3で、中国の各都市や高速道路などをカバーする。
【参考】関連記事としては「自動運転レベルとは?定義・呼称・基準は?」も参照。
WeRide ONEは、レベル2〜4の自動運転機能を実現するためのユニバーサルソフトウェアだ。一方でボッシュの先進運転ソリューションは、集中型コンピューティングプラットフォームやセンサー、ソフトウェアアプリケーション、クラウドサービスなどの主要技術要素で構成される中国市場向けのドライビングシステムだという。
WeRideの創業者兼CEO(最高経営責任者)のTony Han氏は「WeRideとボッシュは、中国における高度な知能運転技術の開発と採用を推進し、最高の知能運転製品の開発で世界をリードします」とコメントしている。
■WeRideはどんな企業?
2017年設立のWeRideは、中国の広州に本社を置き、中国各地と米サンノゼに拠点を持つ自動運転技術の開発企業だ。特にレベル4の自動運転タクシーサービスの開発に力を入れており、2020年7月には中国・広州で「完全無人」での自動運転タクシー実証を開始した。
2021年4月には、米カリフォルニア州で「セーフティドライバーなし」の自動運転車の公道試験許可を取得し、中国と米国の両方で自動運転テストの許可を取得した世界初のスタートアップとなった。
2022年5月からは、中国初の量産型自動運転道路清掃車「Robo Street Sweeper」を50台以上投入し、広州市で公道試験を行っている。
▼WeRide公式サイト
https://www.weride.ai/
■中国で「事実上の標準」となれるか
今後、WeRideとボッシュは、中国のOEMメーカーに提供する自動運転ソフトウェアを共同開発していくことになる。ソフトウェアの優秀さやコスト競争力が際立てば、中国の自動運転ソフトウェアとしてデファクトスタンダード(事実上の標準)的な地位を築けるかもしれない。
両社の取り組みに引き続き注目だ。
【参考】関連記事としては「競争相手が少ない自動運転清掃車!中国WeRideが発表」も参照。