日本電信電話株式会社(本社:東京都千代田区/代表取締役社長:澤田 純)=NTT=は2022年6月3日までに、実環境において交通をリアルタイムに全体最適制御する技術を、世界で初めて確立したと発表した。
NTTが目指す「シグナルフリーモビリティ」の実現性が高まった。シグナルフリーモビリティとは、信号機のない街を自動運転車が相互通信しながら自律走行し、車同士が衝突せず、全体の移動時間を短縮する未来のモビリティの姿のことだ。
■実環境で交通をリアルタイム制御
現在、実社会のモビリティは信号機による制御がされている。そんな中、信号待ちや合流、一時停止などの要因によって、あちらこちらで渋滞が引き起こされている。
この問題を解決すべく、NTTはデジタルツイン(※仮想空間で再現した都市モデル)を使って自動運転ミニカーを制御するシステムを構築し、実環境で交通をリアルタイムに全体最適制御する実験に成功したという。
NTTは今後、交通制御実験の規模を拡大していくという。
■NTTが掲げる「IOWN構想」とは?
今回の技術の確立の背景には、NTTが2030年の実現を目指している「IOWN (Innovative Optical and Wireless Network)構想」がある。
光を中心とした革新的技術を活用し、これまでのインフラの限界を超えた高速大容量通信や膨大な計算リソースなどを提供可能にするネットワーク・情報処理基盤を構築するという構想のことだ。
今回行われたシグナルフリーモビリティの実証もIOWN構想に含まれる取り組みであり、高速大容量通信や膨大な計算リソースによって交通をリアルタイムに全体最適制御することを可能にしているようだ。
■社会にとって非常に有用な取り組み
全ての自動車がシステムによって最適制御されれば、手動運転のミスによる事故などが無くなる。こうした視点からもNTTのこの取り組みは、社会にとって非常に有用なものであると言えそうだ。
【参考】関連記事としては「NTTデータ、タブレットで「自動運転車向けNo.1」狙う?」も参照。