自動運転ロボットの開発競争が世界で加速しているが、日本の大学発ベンチャーも負けずに事業拡大に努めている。
東大発AI(人工知能)ベンチャーのTRUST SMITH株式会社(本社:東京都文京区/代表取締役社長:大澤琢真)はこのほど工場を移転し、工場の規模を拡大したことを発表した。
TRUST SMITHは2020年10月から旧工場で自動搬送ロボット開発などの開発・製造に取り組んでいた。しかし、取引先の増加などによって大規模な開発環境が必要となり、旧工場の約4倍の面積となる新工場に移転したという。
今後は新工場において、自動搬送ロボットやアームロボットの研究開発を加速させる。
■多様な自動運転ロボット挑むTRUST SMITH
TRUST SMITHはどのような自動運転ロボットを開発しているのだろうか。
2021年10月にリリースしたのが、自律走行AGV(無人配送車)の「Kaghelo(カゲロウ)」だ。経路生成アルゴリズムを搭載した汎用型AGVで、物流・製造業での労働力不足を補い、1,000キロまで積載可能だという。
LiDARが2カ所、超音波センサーが前方・後方に1カ所ずつ、接触センサーも搭載されている。走行方式は「磁気誘導式」または「SLAM式」にオーダーメイド可能で、利用用途に合わせた自由な機構設計(カーゴ牽引式や潜り込み式など)が可能となっている。
また同社は2021年3月、ラストワンマイル向けの自動配送ロボットの開発をスタートさせたことを発表している。開発しているロボットは、グリップ力のあるタイヤを使った四輪駆動式で、歩道走行中に軽微な段差があっても、乗り上げることが可能になるという。
このほか、階段の昇降に対応できる4脚歩行の「犬型ロボット」の開発も行っている。今回の新工場への拡大移転により、「自動運転×ロボット」においてさらに存在感を高められるのか、今後も注目したい。
【参考】関連記事としては「日本で新たな自動配送ロボ誕生へ!TRUST SMITH、操作性を重視」も参照。