自動運転トラックが部分的に導入される未来では、人間が眠くなるような退屈で単調な長距離路線は自動運転トラックが、一方で都市部などの複雑な輸送ルートは手動トラックが、といったすみ分けが行われるかもしれない・・・・・・。
そんなことを感じさせる試験的な取り組みがアメリカで始まった。トヨタやデンソーと提携している自動運転開発企業の米Aurora Innovationと、物流企業であるWerner Enterprisesによる取り組みだ。
■ドライバーの眠気を誘う退屈なルート
具体的には、米テキサス州フォートワースから同州の最西端に位置するエルパソ間の約600マイル(約965キロ)のルートにおいて、自動運転車で貨物を運送するという取り組みだ。このルートは単調で、ドライバーの眠気を誘う退屈なルートとして知られているようだ。
この取り組みはすでに始まっており、2022年4月からWernerのドライバーに代わり、Auroraの自動運転システムが活躍しているという。現在は、Auroraの安全要員がトラックに同乗し、状況に応じて手動介入も行なっているようだ。
この取り組みに先立ちAuroraとWernerは業務提携しており、WernerのDerek Leathers会長は「Auroraとの提携と試験走行は、ドライバーや顧客、そして一般市民のためにサステナビリティと安全性を約束するための新たな一歩となる」と語っている。
両社は今後、自動運転で走行するほかの新たなルートの開拓に力を入れていくという。
■すでに上場済みのAuroraの今後に注目
2016年に設立したAurora Innovationは、2021年2月にトヨタおよびデンソーと戦略的パートナーシップを締結した。同年11月にはナスダック市場にSPAC上場しており、
特定買収目的会社(SPAC)との合併時の時価総額は130億ドル(約1兆4,800億円)だった。
今回は自動運転トラックに関するニュースだが、乗用車向けの自動運転技術も開発している。同社の取り組みに引き続き注目だ。
▼Aurora Innovation公式サイト
https://aurora.tech/
▼Werner Enterprises公式サイト
https://www.werner.com/
【参考】関連記事としては「トヨタと提携の米AuroraがSPAC上場 自動運転スタートアップ、株主にUberやAmazon」も参照。