ロシアのウクライナ侵攻に対して国際的に批判が高まる中、「ロシアのGoogle」とも呼ばれるロシアのIT大手Yandex(ヤンデックス)は2022年3月9日までに、米国での自動運転タクシーと自動配送ロボットのテスト走行を一時停止すると発表した。
■自動運転タクシーの運行試験などを一時停止
取り組みを停止するのは、2020年から米ミシガン州アナーバーの公道で行っている自動運転タクシーの運行テストと、オハイオ州立大学とアリゾナ大学のキャンパスで実施している自動配送ロボットによるフードデリバリーテストだ。
どちらの事業についても、同社の広報担当者は「将来的には再開したい」と述べているという。ちなみにフードデリバリーテストは米料理配達大手Grubhubと2021年7月に協定を結んで開始しており、開始から1年を待たずに取り組みが中断することとなった。
■中東での取り組みもストップか
Yandexの自動運転事業は2016年ごろから水面下で取り組みが始まり、2018年2月にモスクワ市内の公道で自動運転の公道実証を開始している。
その後、2018年11月に米ネバダ州で自動運転車の走行ライセンスを取得し、ラスベガスで開催された世界最大の技術見本市「CES 2019」では走行デモを披露した。2018年12月にはイスラエルのテルアビブでも走行ライセンスを取得している。
Yandexが自国のウクライナ侵攻に対してどういうスタンスなのかは定かではないが、Yandexの自動運転事業の世界展開はいったん足止めの状況となった。
同社は2021年11月、中東のスーパーマーケットで自動配送ロボットを使った商品配送の事業も始めることを発表しているが、この事業もおそらく停止済みか、もしくは、すでに停止が決定しているかもしれない。
【参考】関連記事としては「「ロシアのGoogle」Yandex、自動運転配送ロボを中東で展開へ」も参照。