ウクライナ侵攻により、ロシアが世界から孤立しつつあり、ロシア企業にさまざまな影響が出始めている。「ロシアのGoogle」とも呼ばれるIT大手Yandex(ヤンデックス)に関しても、その影響からは逃れられない。
Yandexは2022年から中東やアメリカで自動運転配送ロボットを展開するプロジェクトを立ち上げているが、国際社会からの締め出しによって、プロジェクトが頓挫する可能性が高まってきた。
■中東や米国でのプロジェクトが頓挫か
Yandexは自動運転配送ロボットを2019年11月に初めて実用化して以降、世界中の都市で何万件もの配達実績を重ねてきた。2021年初頭には「第2世代」が登場し、同年11月にはセンサーなどが改良・増強された「第3世代」も発表されている。
そして2021年10月には、中東でショッピングモールをフランチャイズ展開するMajid Al Futtaimとパートナーシップを結び、冒頭触れた通り、2022年からYandexの自動運転配送ロボットをスーパーマーケットチェーン「カルフール」の商品配送で活用する計画を発表した。
アメリカにおける計画も発表されている。2022年秋からアメリカのアリゾナ大学で、米フードデリバリー大手のGrubhubとともに、学生に学食のメニューを自動配送ロボットで配送するという内容だ。その後、全米に展開を取り組みを広げていく方針も明らかにされている。
■自動運転タクシー事業への影響も必至
Yandexは自動配送ロボットだけではなく、自動運転タクシーの実用化も進めており、グローバル展開も模索してきた。
2019年には韓国の現代(ヒュンダイ)グループ傘下の現代モービスとパートナーシップを締結した。アメリカで開かれた自動車エキスポで自動運転タクシーサービスを実際に提供したこともある。
しかし自動配送ロボットのグローバル展開と同様、自動運転タクシーの世界展開もストップすることになりそうだ。
▼Yandex公式サイト
https://yandex.com/company/
【参考】関連記事としては「「ロシアのGoogle」Yandex、自動運転配送ロボを中東で展開へ」も参照。