アメリカの経済誌フォーブスは2021年4月13日までに、2021年版の「世界長者番付」を公表した。
自動運転業界からは、米EV(電気自動車)大手テスラのイーロン・マスクCEO(最高経営責任者)が、保有資産1,510億ドル(約16兆5,000億円)で2位にランクインしている。テスラの株価が昨年から大きく上がったことが理由だ。
また、30歳以下のセルフメイド(自身で財産を築いた人)部門では、LiDARを開発する米ルミナー創業者で現在26歳のオースティン・ラッセル氏が、保有資産24億ドル(約2,600億円)で第5位にランクインしている。ルミナーは2020年12月にSPAC上場したことで知られる。
■テスラとLuminarの自動運転に関する取り組みは?
マスク氏が率いるテスラは、現在まだ自動運転機能を提供していないが、マスク氏はTwitterで自動運転機能の実現時期にたびたび言及し、投資家の投資意欲を煽った。この点もテスラのこの1年の株価の上昇に少なからず影響したとみられている。
いずれは「Full Self-Driving」(完全自動運転)という言葉を略したソフトウェア「FSD」をOTA(Over the Air)技術などでアップデートすることで、顧客に自動運転技術を提供する方向性だ。
米スタートアップのルミナーは、LiDARを開発している。このLiDARは光技術を使って車両の周辺環境を検知できるセンサーで、ルミナーは「低価格」が強みのLiDARの開発に力を入れている。
トヨタもルミナー製のLiDARに着目しているほか、これまでにルミナーは自動運転向け画像処理チップを製造するMobileyeと、LiDARを供給するサプライヤー契約を締結している。ちなみに上場直後は株価は急上昇したが、その後は下落傾向にある。
■来年以降も自動運転業界からビリオネアが続々登場か
2021年は自動運転関連のさまざまな企業の上場を控えている。詳しくは「2021年は自動運転関連企業の上場ラッシュ!LiDAR企業も続々」の記事に譲るが、上場によって資産を大きく増やす人物が自動運転業界から続々誕生していくはずだ。
2022年、2023年と、自動運転業界から新たにどんな人物が世界長者番付に登場するのか、楽しみだ。