自律移動型ロボット(AMR)メーカーの中国Quicktron Intelligent Technolgyは2021年2月3日までに、新たな資金調達ラウンドを完了したことを発表した。
今回の資金調達ラウンドを無事終えた背景には、同社の著しい成長がある。2017年から2019年までで営業利益は約10倍に増え、2020年の総受注高は前年比で300%以上増えたようだ。Quicktronは2022年に上場を計画しており、上場されれば注目のAMR株となりそうだ。
Quicktronは2014年に中国・上海で設立された。さまざまなタイプのAMRや運用システムを開発・提供しており、物流の自動化による企業のコスト削減と作業効率の向上を支援している。
AI技術に強みを持っており、2020年には自律移動が可能な新たなAIロボット製品「Quick Pick」を発表した。この製品は、現場作業者のために物品を運搬・移送する目的で使われ、すでに多くの小売企業や製造業の企業などで活用されているという。
■自動運転車よりも早期のマネタイズが可能なAMR
中国ではAMRの製造が盛んに行われている。例えばギークプラス(Geek+)社は、中国メディアが選ぶ「中国ユニコーンTOP100」に最近ノミネートされ、勢いづいている。
日本では自動運転ベンチャーのZMPが物流支援ロボット「CarriRo(キャリロ)」の開発・販売を手掛けており、パナソニックやオムロンなどの大手企業もこの分野で事業展開を加速している。
自律走行の技術を活用したAMRは主に倉庫などの閉鎖空間で活用されることもあり、自動運転車などと比べると事業としてのマネタイズがしやすい。Quicktronの上場後は同社の決算発表に大きな注目が集まりそうだ。
【参考】関連記事としては「AI物流ロボット、中国ユニコーン・ギークプラスの存在感急上昇!」も参照。