トヨタ自動車株式会社(本社:愛知県豊田市/代表取締役社長:豊田章男)とKDDI株式会社(本社:東京都千代田区/代表取締役社長:髙橋誠)が2020年11月5日までに、両社の提携関係をさらに強化することを目的に、新たな業務資本提携に合意したことを発表した。
今回の提携関係の強化によって具体的には、通信規格が「4G」「5G」「6G」へと進化していく上で、街や家、人、そしてクルマが最適につながれる通信プラットフォームの研究開発を共同で実施していくという。
さらには、デバイスやネットワーク、プラットフォーム、サービスを一元化で管理して高度に運用するために、次世代コネクテッドカー向けの運用管理システムを共同開発するようだ。
■トヨタとKDDI、現在の連携をさらに強化
2000年10月にKDDIが発足して以来、トヨタはKDDIの第2位の大株主であり、2002年以降はトヨタのテレマティクス事業「G-BOOKサービス」などで協業してきた。2016年からは車載通信機とクラウド間通信で、従来のローミングサービスに依存しないグローバル通信プラットフォームの共同構築を推進してきた。
今回の資本提携では、トヨタとKDDIの中長期的に戦略的な提携を推進すべく、トヨタを引受先とした約522億円のKDDI株式の第三者割当による自己株式処分を実施することで合意した。2021年1月29日にトヨタによるKDDIの持ち株比率は13.74%となる予定だという。
現在両社は「移動」と「通信」の枠を超え、新たな取り組みを加速している。今回の業務提携では、街や家、人、クルマのすべてがつながる未来社会の到来に向け、「通信技術およびコネクティッドカー技術の研究開発を推進するとともに、人々の生活を豊かにするサービスの開発や、ビッグデータの活用などによる社会課題解決に取り組んでいく」としている。
■「通信」の重要性をしっかりと捉えているトヨタ
トヨタは静岡県裾野市で2021年に、自動運転技術やMaaSの検証や実験を行うコネクティッド・シティを着工する計画を発表している。「Woven City(ウーブン・シティ)」だ。このWoven Cityに絡み、トヨタはNTTとも手を組んでいる。
今回のKDDIとの新たな業務資本提携やNTTとの動きから見据えてくるのは、トヨタが次世代モビリティ時代における「通信」の重要性をしっかりと捉えているという点だろう。トヨタとKDDI、トヨタとNTTの動きに、今後も注目だ。
【参考】関連記事としては「トヨタ自動車とNTT、スマートシティで協業 Woven Cityの取り組みを世界へ」も参照。