5エリア目!トヨタのMaaSアプリ「my route」、宮崎県で実証実験

福岡市では約8割のユーザーが「満足」



出典:国土交通省九州運輸局プレスリリース

宮崎県で、2020年11月からトヨタのスマホ向けMaaSアプリ「my route」を使った実証実験がスタートすることが、2020年10月22日までに発表された。

今回の実証実験は国土交通省の「日本版MaaS推進・支援事業」を活用したもので、九州運輸局管内では初めての採択案件となる。


実施期間は2020年11月6日から2021年3月12日までの約4カ月間で、宮崎県宮崎市と日南市、及びその近郊で実施される。

■トヨタのMaaSアプリ「my route」とは

今回の実証で使われるMaaSアプリ「my route」は、トヨタと西日本鉄道が交通・店舗などと協力して2018年11月から福岡市で実証がスタートしたスマートフォン向けマルチモーダルモビリティサービスだ。鉄道やバス、シェアサイクルなどさまざまな移動手段を組み合わせたルート検索や、サービスの予約・決済のほか、店舗・イベント情報の検索が可能だ。

福岡市での1年間の実証期間ではアプリは約3万件ダウンロードされ、利用後のアンケートでは約8割のユーザーが「満足」と回答したという。

2019年11月には、福岡市と北九州市で本格実施をスタートさせた。トヨタのレンタカーやカーシェア、京王電鉄バス、第一交通産業などの各サービスが連携したほか、トヨタのキャッシュレス決済アプリ「TOYOTA Wallet」を導入して、電子決済手段も拡充した。


2020年には熊本県水俣市、神奈川県横浜市でサービスの提供が開始されている。

さらに、多言語への対応のほか、携帯キャリアとの連携や、旅行会社の提供する観光データベースと連携して「my route」上で移動に関わるサービス提供を完結できるようにさまざまな事業者との連携拡大に取り組みたいとしている。

■提供されるサービス概要

宮崎県で行われる今回の実証実験では、主に6つのサービスが提供される。

  • 多様な交通機関を含めた複合的なルート検索
  • インターネット予約
  • デジタルチケット購入
  • タクシー配車、シェアサイクル、カーシェア、レンタカーの検索・利用
  • バス、鉄道のリアルタイムな運行情報提供
  • 地域の店舗、観光施設、イベント情報の提供

具体的には、ルート検索結果から、京王電鉄バスが提供する高速バス予約サービス「ハイウェイバスドットコム」で高速バスの予約ができるようになるほか、日南海岸の観光や宮崎市~日南市のビジネス・買い物・通院などに便利なJRと宮交バスの一部区間が利用し放題の「日南1デーフリーパス」を、沿線観光施設で利用できるクーポンをセットにして、デジタルチケットとして発売するなどのサービスを提供する。


モビリティサービスと目的地の生活・観光サービスを組み合わせて提供し、利用者が移動しやすい環境を構築することを目指すという。

■【まとめ】「my route」全国に順次拡大へ

今回の宮崎県での「my route」のサービスの提供は、エリアとしては5番目となる。

トヨタは、モビリティカンパニーへの変革を目指して地域に根ざした新たなモビリティサービスの提供に取り組みたいとしているが、その言葉通り、トヨタの地域に根ざしたサービスの提供が徐々に全国に拡大していると言えよう。

【参考】関連記事としては「トヨタのMaaSサービス「my route」を徹底解説」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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