アップルは失速か——。米カリフォルニア州車両管理局(DMV)は2020年3月2日までに、自動運転実証のパーミットホルダー(許可取得者)の1年間の走行実績データの最新版を公表した。米アップルの走行実績は7544マイルで、前年同期の7万9754マイルから大幅に減少していることが明らかになった。
走行実績データは2018年12月から2019年11月におけるもの。アップル社は2014年から自動運転開発プロジェクトを開始したとされているが、その後はあまり進捗などについて情報を公開しておらず、他社と比べてどの程度開発が進んでいるかはいまも不透明だ。
ただ、カリフォルニアDMVが2017年にアップルに自動運転車の公道走行許可を与えたことが分かり、その後はカリフォルニアDMVへの自動運転車両の登録台数で全企業中3位になるなど、開発に力を入れている様子が見てとれた。
だが、ここにきての走行実績の大幅な減少——。仮想空間でのシミュレーションに力を入れているなどの理由が挙げられるかもしれないが、またアップルの自動運転開発状況の不透明さが増した状況だ。
■各社の総走行実績、比較容易なデータで確認
ちなみにカリフォルニアDMVは「CSVデータ」で各社の実証実績をマイル単位で公表している。その元データは「2019 Autonomous Mileage Reports(CSV)」からダウンロードできるが、コンマで区切られたテキストデータであることと、登録車両ごとの実績なので企業ごとの比較がしにくい。
そこで自動運転ラボはそのデータをエクセル化し、各社ごとの総走行実績(少数以下切り捨て)を比較できるようにした。エクセルデータをご希望の方は「ダウンロードリンク申請フォーム」からダウンロードリンクの取得をご申請下さい。エクセル内のピンク色で網掛けしている「R列」が自動運転ラボが追加したデータで、そのほかの出典はカリフォルニアDMVとなります。
ちなみに企業名と総走行実績だけを抜き出したランキングは下記の通りだ。この抜き出したデータはエクセルファイル内のシート「総走行実績ランキング(企業別)」からも確認できるようにしてある。
■首位はウェイモが圧倒的、2番手はGMクルーズ
上記の表をみると、Google系ウェイモの走行距離が圧倒的に多いことが分かる。2番手につけているのがGM子会社クルーズで、先日トヨタが4億ドル(約440億円)の出資を発表したPony.AIが3位、中国の百度(Baidu)が4位と続いている。
カリフォルニア州以外、またアメリカ以外でも実証実験をしている企業もあるため、一概に実証実験への力の入れようを比較することはできないが、業界分析の一助になればと思う。
【参考】関連記事としては「謎多きAppleの自動運転事業、2020年は「台風の目」となるのか」も参照。