家具販売の世界最大手イケア(本社:スウェーデン)が、自動運転車向けの家具デザインに本格的に取り組んでいることが2018年9月18日、明らかになった。同社がデンマークに構える研究機関「SPACE10」が公式サイトで7つのデザインを発表。大手家具チェーンの自動運転向け家具事業への参入は世界初とみられる。
イケアは発表の中で「オフィス」「カフェ」「ヘルスケア」「ファーム」「プレイ(ゲームなど)」「ホテル」「ショップ」の7つのコンセプトデザインを発表している。
「オフィス」のコンセプトデザインでは、「Office on Wheels」と名付けた自動運転車の中に机や椅子、ホワイトボードなどを配置。車内にはハンドルやブレーキ・アクセルなども見当たらず、自動運転レベル4(高度運転自動化)以上の無人自動運転車を想定してデザインしたものとみられる。
「ファーム」のデザインでは自動運転車の外側に全ガラス張りのミニ農園が配備されており、「ホテル」のコンセプトでは車内にベッドを備えている。
「ヘルスケア」のデザインでは、貧困層や高齢者に医療を提供するために自動運転車が有用であることにも触れており、イケアは自動運転車とその車内への家具や設備の提供で、さまざまな社会問題に取り組んでいきたいものとみられる。
イケアは現在約50カ国において400店舗以上を展開している。当面はSPACE10で自動運転車向けの製品デザインを進めていく考えで、世界的に自動運転車が普及し始めると予想される2020年代には、開発した製品を市販するものとみられる。
自動運転車はトヨタ自動車や日産、テスラ、GMなどを始め、世界のさまざまな企業を巻き込んだ開発競争の真っ直中だ。IKEAの自動運転向け家具がデファクトスタンダードになれば、大手メーカーの自動運転車の家具はIKEA一色になるかもしれない。
【参考】自動運転の普及でさまざまな市場に変化が訪れる。詳しくは「自動運転車の市場規模、2030年までの予測まとめ LiDARなどのセンサー、組込ソフトウェア、広告が急拡大|自動運転ラボ」も参照。
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— 自動運転ラボ (@jidountenlab) August 15, 2018