米Google傘下の自動運転開発企業Waymo(ウェイモ)は2022年11月18日までに、世界で初めて自動運転車が自ら「気象観測」を行う取り組みに着手していることを発表した。
気象データは同社の自動運転システム「Waymo Driver」で活用される。人間が天候に応じて運転の仕方を変える(例えば、雨の日は路面の滑りに気を付ける・・・など)ように、気象に合わせてAI(人工知能)の運転操作が最適化されるようにするものとみられる。
■どのようにして観測するのか?
どのように気象を観測するのか。Waymoの自動運転車に搭載されたカメラやレーダー、LiDARが駆使され、窓についた雨粒の有無や、レーザーをベースとした計測器を使い、雲や霧、砂嵐、雪、雨などの状況を測定しているようだ。
つまり、車両がさらされている気象状況をリアルタイムに観測しながら、今後雨が降りそうか、雨が激しくなりそうか、なども測定しているというわけだ。
報道などによれば、現在はカリフォルニア州サンフランシスコとアリゾナ州フェニックスでこの取り組みを行っており、今後はサービスを拡大する地域にも取り組みを拡大していくという。
■アメリカ国立気象局にデータ販売も?
気象状況を把握することには、さまざまなメリットがありそうだ。たとえば雨が降っていることを自動運転AIが把握できれば、センサーから得られた情報を「雨の中で得られたデータ」という前提で分析することができる。
また、Waymoは数多くの自動運転タクシーは展開しており、街中を走る多くの車両で気象データを得られれば、かなり細かなメッシュでリアルタイムの気象データを集めるかもしれない。こうしたデータは、アメリカ国立気象局などに販売することもできそうだ。
2018年12月に世界で初めて自動運転タクシーの商用サービスを始めたWaymo。同社の先進的な取り組みに引き続き注目だ。
▼Waymo公式サイト
https://waymo.com/
【参考】関連記事としては「Waymoの自動運転戦略(2022年最新版) 無人タクシーで「世界初」の称号」も参照。