韓国の自動車部品メーカーである現代モービスが、自動運転やコネクテッドカー、EV(電気自動車)などの分野で日本市場を攻略するため、スカウト戦略を実施した。
■三菱自&マツダ出身者をスカウト
同社は2022年5月5日までに、三菱自動車で購買本部長を務めていた服部行博氏と、マツダで購買統括の経歴がある安達亮一氏をスカウトしたと明らかにした。両氏は約40年間にわたって購買業務を担当し、日本市場の状況や特性などを熟知しているという。
現代モービスは2021年下半期から、欧州や北米、中国などで現地顧客専担組織「KAM(Key Account Management)」 を運営しており、現地の顧客対応と営業・受注活動を総括する役員クラスの現地専門家を募集していた。
今後、日本での顧客密着型の営業・受注活動を強化すべく、2人は再編された現代モービスの日本支社の支社長と副支社長として、営業や受注活動に取り組むという。
これまで同社は主に日本市場において、ランプやシャシー、車載インフォテインメント製品を、日本の完成車メーカーに供給してきた。今年からは先進モビリティ分野における核心部品の受注活動に力を入れていく。
■「核心部品ポートフォリオ」を構築
現代モービスは「未来の自動車分野の核心部品ポートフォリオ」を構築している。カメラやレーダーなどの自動運転センサーなどをはじめ、電気自動車や水素自動車などのエコカーに搭載される駆動システムやバッテリーシステム、電力変換システム、水素燃料電池システムも大量生産している。
グローバル市場において、「AR HUD」(拡張現実型ヘッドアップディスプレイ)や車載インフォテインメントシステムについての競争力も認められている。
同社は受注品目を多角化して新規の顧客を獲得・確保することで、先進モビリティ分野における核心部品の海外受注実績を2022年は37億4,700万ドル(約4,900億円)規模にすることを目指している。2021年比では50%増となる規模だ。
■国内企業がどう対峙していくかにも注目
このように海外企業が日本市場を攻略しようと着々と準備を進めている。国内企業が海外勢の勢いにのまれることなく対峙し、日本市場の活性化はもちろん、世界における日本の競争力が上がっていくかも、今後の注目点となる。
▼現代モービス公式サイト
https://www.mobis.co.kr/en/index.do
【参考】関連記事としては「自動運転、韓国の大本命は42dot?ソウルでロボタクシー展開」も参照。