あいおいニッセイ同和損害保険の中国子会社である愛和誼日生同和財産保険有限公司(ADIC)は2022年5月6日までに、自動運転システムを開発する中国のスタートアップ企業のMomenta(モメンタ)と戦略提携契約を締結したことを発表した。
Momentaはトヨタと提携していることでも知られる中国の有望な新興企業だ。提携は、モビリティサービスの安全性向上や保険商品・サービスの研究開発に取り組むことを目的としたもので、5月24日には提携セレモニーも開催されるようだ。
■トヨタやGMが出資する有望ベンチャー
2016年設立のMomentaは「十年間、百万の命を救う。十年間、百パーセントの時間を解放。十年間、物流とモビリティの効率を倍に」というビジョンを掲げ、現在、中国とドイツに拠点を置いている。
自動運転レベル4を実現する自動運転ソリューション「MSD(Momenta Self Driving)」や、自家用車向けの大量生産に対応した自動運転レベル3のソフトウェア「Mpilot」、「車載器+クラウド+運行管理」 のフリート向けソリューション「AutoRing」などを製品化している。
ディープラーニング(深層学習)を得意とし、センサーで得た画像を解析し、高精度地図を自動で作成する技術にも定評がある。2020年には自動運転タクシーの公道実証を江蘇省でスタートさせ、北京での実証実績を持つことでも知られている。
トヨタやGM、ボッシュ、上海汽車集団など大手自動車メーカーから、総額12億ドル(約1,551億円)以上の出資を受けており、2021年12月には中国のEV(電気自動車)メーカーであるBYD(比亜迪汽車)と合併事業を立ち上げている。
■今後の上場タイミングにも注目
トヨタから出資を受け、あいおいニッセイ同和損害保険の中国子会社と提携するなど、なにかと日本と関係が深いMomenta。今後の上場タイミングにも注目が集まっており、引き続き同社から目が離せない状況が続きそうだ。
▼Momenta公式サイト
https://www.momenta.cn/
【参考】関連記事としては「トヨタ出資の中国Momenta、自動運転技術の「売り先」獲得か BYDと合弁事業」も参照。