自動運転向けに「自己学習型AI」(人工知能)を開発するイスラエル企業Autobrains(オートブレインズ)は2022年3月21日までに、シリーズCラウンドで1億2,000万ドル(約143億円)の資金調達を行ったと発表した。
政府系投資会社のテマセクが主導し、既存パートナーである自動車部品メーカーの独コンチネンタルやBMWグループのベンチャー投資会社、新規ではベトナムの自動車メーカーであるVinFastなどが参加した。
■「1%の誤差」の解決を掲げるスタートアップ
Autobrainsは自動運転向けにAIを開発を手がけるスタートアップだ。自動運転における「1%の誤差」を解決することを掲げ、ソリューションを提供している。
同社の自己学習型AIは、人間の脳のような学習・情報処理モデルを採用しており、リアルタイムにさまざまな意思決定ができるよう設計されている。高度な知覚機能が必要な複雑なシナリオにも対応でき、「自動運転レベル4」の技術水準にも耐えうるという。
今回の資金調達により、同社は商圏を世界市場へ拡大し、アジアやヨーロッパ、米国に拠点を拡大するという。さらに技術を進化させ、トラックなどのビジネス領域も開拓していく予定だ。
【参考】関連記事としては「自動運転レベルとは?定義・呼称・基準は?」も参照。
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— 自動運転ラボ (@jidountenlab) February 5, 2022
■ライバルは同じイスラエル企業の「Mobileye」
今回の資金調達に関し、AutobrainsのKarl-Thomas Neumann会長は「今回の資金調達ラウンドの成功は、AutobrainsがAI分野においてモビリティの未来をリードする重要なプレーヤーであることを証明している」と述べている。
一方、新規に同社に投資したベトナムVinFastのThuy Linh Pham副CEOは「Autobrainsの技術は、業界で自己学習型AIへのパラダイムシフトを起こすために、私たちが待ち望んでいたもの」と語っている。
自己学習型AIはまだまだ進化の余地が大きいとされている。Autobrainsは自社のライバルとして同じイスラエル企業のMobileyeの名前を挙げており、Intel傘下として事業規模を拡大しているMobileyeを越えるような企業となれるのか、今後に注目だ。
▼Autobrains公式サイト
https://autobrains.ai/
【参考】関連記事としては「自動運転関連のイスラエル企業一覧(2022年最新版) スタートアップ含む20社まとめ」も参照。