オーストラリアのニューサウスウェールズ州交通局(TfNSW)は2021年10月27日までに、無人運転の自動運転タクシーを州内で運行させるため、韓国ヒュンダイと米Aptivの合弁企業であるMotionalとパートナーシップ契約を結んだことを発表した。
事実上、韓国企業と米国企業の合弁会社が自動運転技術を「輸出」することになる。こうした自動運転技術の海外展開が今後盛んになることは確実で、最近では中国のベンチャー企業「Neolix」が自動運転配送車をドバイで展開する計画も話題を呼んだ。
【参考】関連記事としては「ドバイで自動運転デリバリー開始へ 中国ベンチャー「Neolix」の車両採用」も参照。
■「安全技術」の高さを評価か
オーストラリアのニュースに話を戻そう。Motionalとニューサウスウェールズ州交通局が実用化を目指すのは、特定エリア・特定条件下における完全自動運転を実現するレベル4の自動運転タクシーだという。
ニューサウスウェールズ州交通局は自動運転タクシー事業のパートナーを決めるにあたり、安全技術に定評がある企業を候補とした。報道によれば、Motionalは100,000回以上の自動運転実証で事故を起こしておらず、こうした点が評価されたとみられる。
Motionalはすでに自動運転タクシーで実績があることも特筆すべき点だ。2020年に設立されて以降、すでにアメリカの複数の都市やシンガポールで自動運転移動サービスを実証的に展開している。
今後、Motionalがオーストラリアで自動運転タクシーを展開すれば、米国以外ではシンガポールに続いて2カ国目の海外展開となる。
■実績があれば「輸出」が可能に
自動運転タクシーの分野は、各社が競うようにサービスの商用展開を目指している。すでに系Waymoや中国の百度などが商用展開をスタートしているが、ほかにも米GMやロシアのYandex、さまざまなベンチャー企業が取り組みを加速させている。
日本では商用展開に向けて目立つ動きはまだないが、自動運転タクシーの実証実験が行われるようになってきつつある。日本勢も自動運転タクシーでいち早く実績をつくれれば、Motionalのようにサービス・技術の「輸出」も可能になってくる。
自動運転タクシーに取り組む各社の動きに、引き続き注目していきたい。
▼Motional公式サイト
https://motional.com/
【参考】関連記事としては「Motional、自動運転車にBlackBerryの開発ソリューションを初採用」も参照。