米国のLiDAR企業Ousterと中国の自動運転スタートアップのQCraftは2021年3月7日までに、中国の武漢においてロボバス(自動運転バス)をローンチしたと発表した。報道発表によれば、QCraft社にとって3番目のロボバスプロジェクトだという。
OusterとQCraftは2020年8月に戦略的提携を結んでおり、ロボバスに搭載されているのがOuster製の高性能デジタルLiDARセンサーだ。センシングの死角を無くすため、車両の3カ所にLiDARを搭載しているという。
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■3D-LiDARの分野で頭角を現す米スタートアップOuster
Ousterは米国カリフォルニア州サンフランシスコに本社を置くLiDARスタートアップ企業だ。自動運転車両やドローン、セキュリティシステムなど向けに高解像度の3D-LiDARセンサーを提供している。
他のLiDARメーカーと違う点は、自動運転分野のみをターゲットとするわけではなく、多様な業種やユースケースで使われることを想定してビジネスを展開しているところだ。
最近では、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、サンフランシスコの工場を一時閉鎖したり、人員を10%削減したりしたが、2020年9月には4200万ドル(約45億円)の資金調達を発表するなど、勢いは衰えていない。
ちなみに自動運転分野ではQCraftのほか、米May MobilityにもLiDARを提供している。
■ByteDanceも注目のQCraft、創業者は元Waymoエンジニア
一方のQCraftは、Waymoの元エンジニアらによって2019年に設立された新興スタートアップで、現在はテスラやUber出身のエンジニアも在籍している。
ロボバスのプロジェクトは2020年から開始しており、蘇州で定期運行をスタートさせた後、深圳でのプロジェクトを2021年1月から開始している。QCraftは2021年末までに少なくとも100台の自動運転バスを公道走行させる予定だという。
2021年3月に入り、動画アプリ「Tiktok」を展開するByteDanceが少なくとも2,500万ドル(約27億円)をQCraftに投資するといった報道も出ている。実際に投資が行われれば、ByteDanceにとっては初の自動車分野に対する投資となるようだ。
■【まとめ】すでにライバルが多い中、「ロボバス」で勝負
自動運転タクシーや自動運転バスが次々と公道走行を開始している中国。まだこの分野は黎明期であるとはいえ、すでにQCraftのライバルは多い。そんな中でOusterのLiDARを搭載したロボバスで両社がどこまで存在感を高められるか、業界での関心が高まっていきそうだ。
【参考】関連記事としては「まるで自動運転All Stars.. Waymoやテスラ出身者集うQCraftとは」も参照。