台湾の半導体メーカーであるVIA Technologiesは2021年1月22日までに、中国最大のバス車両メーカーである金龍客車と戦略的パートナーシップ契約を締結したことを発表した。
報道発表では「次世代モビリティアプリケーションのための5Gと自動運転の革新を推進していく」としており、先進的な運転支援AI(人工知能)技術などを開発していくという。
VIA Technologiesの国際マーケティング担当の幹部は「金龍客車と緊密に協業し、急成長を遂げるモビリティ市場の新たなニーズを満たす革新的ソリューションを開発し、このビジョンを実現できることをとてもうれしく思います」と述べている。
また、大学や専門学校の学生向けに自動運転EV(電気自動車)の設計や構築、保守方法を教える教育プログラムの提供を開始し、AIアプリケーション開発や車両への統合の経験を得られる機会も提供するという。将来のエンジニア人材の獲得に向けた取り組みとみられる。
■モビリティの領域に注力し始めているVIA Technologies
台湾の新北市に本社を構えるVIA Technologiesは、ヨーロッパやアメリカ、アジア太平洋地域など世界中に多くの支社と拠点を持つグローバル企業だ。
1992年の設立されたあと、チップセットのリーディングカンパニーとして業界を牽引し、現在は半導体レベルからのサポートを含んだハード・ソフトウェアの開発支援に力を入れている。
そんなVIA Technologiesは近年、モビリティの領域に力を入れていることで知られる。2019年5月には、台湾で開催された通信技術イベントにおいて、スマートフォンを活用した運転支援アプリケーション「VIA-AI」を公開して注目を集めた。
そして2020年12月には自動運転システムの市場投入期間を短縮できる小型車載システム「VIA Mobile360 L900」を発表している。
自動運転技術の開発を国全体で後押ししている中国のバスメーカー最大手と今回タッグを組んだVIA Technologies。中国は有望市場だけに、VIA Technologiesの事業拡大に大きくつながりそうだ。
【参考】関連記事としては「自動運転システムの開発短縮に寄与!台湾VIA Technologiesが新小型車載システム」も参照。