スズキが自動運転車「HANARE」を参考出品 東京モーターショーで

現在の運転支援技術を解説



スズキ株式会社(本社:静岡県浜松市/代表取締役社長:鈴木俊宏)は2019年10月3日までに、東京ビッグサイトやお台場周辺エリアで開催される「第46回東京モーターショー2019」に出品する車のラインアップを発表した。

「WAKU WAKU SWITCH for EVERYONE つくろう、あなたのワクワクで、みんなのワクワクを。」を出展テーマとし、総合モビリティメーカーとして2020年に創立100周年を迎えるスズキの技術を集結した展示が行われる。


パーソナルコンパクトPHEV「WAKUスポ」や軽クロスオーバーワゴン「ハスラーコンセプト」などが出品されるが、自動運転ラボとして注目したいのは、今回初めて参考出品するモバイルルーム自動運転車「HANARE」だ。

このHANAREについて紹介しつつ、スズキの自動運転・運転支援技術関連のトピックスを振り返っていこう。

■モバイルルーム自動運転車「HANARE」の概要

参考出品されるモバイルルーム自動運転車「HANARE」は、モバイルルームとあるように従来のクルマではなく、家の離れのような大きさの室内空間が移動するイメージだ。

人間らしい欲求を大切にし、クルマを所有する新たな喜びや運転以外の楽しさを提案するという。様々な使い方や利用シーンに対応して、多様なライフスタイルにマッチする自動運転車のようだ。


出典:スズキプレスリリース
■スズキ、トヨタと資本提携で合意書

スズキは2019年8月にトヨタ自動車と資本提携に関する合意書を結んでいる。異業種の新規参入やモビリティビジネスの多様化など大きな変革期を迎える自動車産業で、トヨタの強みである電動化技術とスズキの強みである小型者技術を持ちより、自動運転分野での協力を進めるためのものだ。

従来通り競争者でありつつも、自動運転という新たなフィールドでの協力によって、自動車産業を取り巻く新たな課題を克服して持続的成長を実現していくという。

■スズキの現在の主な運転支援技術は?

スズキは現在、「スズキセーフティサポート」と呼ばれる予防安全技術や運転支援機能を展開している。現在は人間の運転をサポートしている段階ではあるが、将来的に自動運転技術に結びついていくと考えられる。スズキの現在の主な運転支援技術は以下の通りだ。

「ぶつからない」をサポート

カメラやレーダーのセンサーで前のクルマや横断中の歩行者を検知し、ぶつかりそうだと判断するとブザー音やメーター表示で運転手に警告し、ブレーキペダルを踏むとそれをアシストしてくれるもの。さらに衝突の可能性が高まると自動で強いブレーキが作動して、クルマや人との衝突を防いでくれる。

「前に飛び出さない/後ろに飛び出さない」をサポート

停車または徐行中に作動するカメラやレーダー、センサーが前方の障害物を検知し、シフトが全進のままアクセルペダルを強く踏むと、ブザー音を鳴らしエンジン出力を自動的に最長5秒間抑制し、衝突を防いでくれる。

停車または徐行中に作動するカメラやレーダー、センサーが後方の障害物を検知し、シフトが後退のままでアクセルペダルを強く踏むと、ブザー音を鳴らしエンジン出力を自動的に最長5秒間抑制し、衝突を防いでくれる。

「車線をはみ出さない/ふらつかない」をサポート

他のことに気を取られ車線をはみ出したり、単調な道路を走行中に集中力が低下してふらふら走行してしまったときに、車両を戻す力をステアリングに与えて支援したり、ブザー音やメーター表示で気づかせてくれるもの。周りの車との事故を防いでくれる。

「車間距離の確保」をサポート

先行者との距離をミリ波レーダーやカメラで測定し、設定した車間距離を保ちながら自動的に加速や減速などを行う。先行車がいない場合は設定した速度での運転をキープしてくれる。高速道路での運転がより楽になる。

「車線変更時の側方確認」をサポート

ドアミラーで確認しにくい斜め後方から接近する車両を検知するとドアミラーのインジケーターが点灯し、点灯したままでウインカーを操作すると、インジケーターの点滅とブザー音で注意を促してくれる。周りの車との事故を未然に防止する機能だ。

「バック時の安全確認」をサポート

駐車場での後退時、他のクルマや柱で視界が遮られて後方の状況が確認しにくい場合でも、後方左右から接近するクルマを検知すると、ブザー音やメーター表示で知らせてくれる。

「標識を見逃さない」をサポート

車両進入禁止などの標識を検知すると、標識マークを表示して運転手に知らせてくれる。最高速度や車両進入禁止、はみ出し通行禁止、補助標識「終わり」の標識を認識する。

「出遅れない」をサポート

シフト位置が「P」または「R」以外の位置でブレーキペダルを踏んでいる、またはパーキングブレーキをかけて一時停車しているときに、前のクルマが発進したことに気づかずに数メートル離れると、ブザー音とメーター表示で先行車が発進したことを教えてくれる。後ろからクラクションを鳴らされる心配もない。

「見えない場所の視界」をサポート

全方位モニター用カメラで、真上から見たような俯瞰(ふかん)映像や助手席側のサイド映像など視点を切り替えて表示できる。見通しの悪い交差点などで運転席から見えにくい死角にいる人を発見し、未然に事故を防ぐことに役立つ。

■【まとめ】スズキブースの「HANARE」は必見!

トヨタと資本提携し、自動運転車に取り組むスズキが現在展開する運転アシスト機能は、どれもが今後の自動運転車へ応用されていくと考えられる。東京モーターショー2019でお披露目されるモバイルルーム運転車「HANARE」も必見だ。関心がある人はスズキのブースに足を運んでみてはいかがだろうか。


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