日本を含む世界各国で開発競争が繰り広げられている自動運転技術。自動運転の技術水準を示す「自動運転レベル」は、アメリカの自動車技術会(SAE)の基準が世界標準になっていることもあり、日本のニュースでも英語で技術用語やキーワードが伝えられることも多い。この記事では、「自動運転」や「自動運転車」の英語での呼び方を紹介した上で、主な技術用語・キーワードの英語表記についても触れる。
記事の目次
■自動運転車:autonomous car, self-driving car
自動運転車は「autonomous car(オートノマスカー)」「self-driving car(セルフドライビングカー)」「driverless car(ドライバーレスカー)」「robotic car(ロボティック・カー)」などの英語で呼ばれることが多い。ワードの最後に複数形の「s」がつくこともある。
googleやYahoo!などの検索サイトで比較してみると、最もヒットする英語が「driverless car」で、「self-driving car」「autonomous car」「robotic car」と続く。だが英語版Wikipediaの英語版は「autonomous car」をタイトルに使っている。一方で最近の英語ニュースなどで使われるワードとしては、「robotic car」以外の3種類をほぼ同じ頻度で見掛ける。
「car」の代わりに「vehicle」という英語を使っている場合は、自動運転車を指していることもあるが、「vehicle」という英語自体が広義の「乗り物」という意味なので、広い意味での自動運転技術を活用した乗り物を指すのが一般的だ。
また、自動運転車は将来的にコネクテッドカーの機能も搭載していくことになることから、「自動運転車」と「コネクテッドカー」の両方の意味を備えた「コネクテッド自動運転車」という単語も英語圏では既に頻繁に使われるようになっている。英語では「Connected Autonomous Vehicle(コネクテッド・オートノマス・ビークル)」と書き、略称は「CAV」となる。
【参考】関連記事としては「CAVとは? 何の略? 意味は「コネクテッド自動運転車」 AVは?CVは?」も参照。
英語圏では既に頻出、「CAV」は何の略?コネクテッド自動運転車、覚えておきたい自動車関連新ワード https://t.co/aAqpWw0Ezp @jidountenlab #CAV #AV #CV
— 自動運転ラボ (@jidountenlab) November 20, 2018
■自動運転に関連する主要ワード
位置特定技術:localization, mapping
自動運転に必要な技術の一つとして挙げられるのが位置特定技術。こちらは「localization(ローカライゼーション)」や「mapping(マッピング)」と呼ばれる。
認識技術:perception
位置特定技術を同様に自動運転に必要な技術である「認識技術」は、英語では「perception(パーセプション)」と呼ばれる。英語を直訳すると「知覚・認知」などの意。認識技術は、障害物や歩行者などの存在を検知するときに必要となる。
予測技術:prediction
危険可能性や事故リスクなどを算出する「予測技術」は、英語では「prediction(プレディクション)」と呼ばれる。英語の「predict(プレディクト)」は「~を予測する」という他動詞で、predictionはこの名詞形だ。
センシング:sensing
車両に搭載した計測機器(センサー)を使って測定を行うことを、英語で「sensing(センシング)」を呼ぶ。自動運転技術においては、自動運転車を取り巻く環境をセンサーで観測することを「外部センシング技術」と呼ぶこともあり、頻繁にこのキーワードが登場する。
アクチュエータ:actuator
アクチュエータは英語で「actuator」と書き、電気信号を物理的な運動に変換するための要素・装置のことを呼ぶ。自動運転においては、システム側が出した指令が車輪の回転やブレーキやハンドルの制御に直結する。この役割の担うのがアクチュエータとなる。
先進運転支援システム:Advanced driver-assistance systems(ADAS)
自動ブレーキや危険に関する警報、車線逸脱防止などの機能を備えたシステムを、英語で「Advanced driver-assistance systems(ADAS)」と呼ぶ。ADASは人間の運転を支援することを前提に設計されたシステムであると言えるが、自動運転にも必要な技術が多数使われている。
自動運転に関する技術ワードやキーワードは英語を使って説明されることが多い。自動車関連企業も日本語ではなく、カタカナ英語で説明を行うことが多く、これらの技術用語やキーワードの英語表現は最低限覚えておきたい。
■関連FAQ
最もよく使われる英語が「Autonomous car」と「Self driving car」。「Driverless car」や「Robotic car」と表記するケースもある。「Car」の代わりに「Mobility」を使う場合もある。
「Autonomous Vehilcle(自動運転車)」を略して「AV」と呼ぶケースが多い。また、自動運転車にはコネクテッド機能も必須であることから、「Connected Autonomous Vehicle」を「CAV」と略し、自動運転車という意味で使われるケースもある。ちなみに「自動運転」の略語は、「Autonomous Driving」を略して「AD」とする場合が多い。
「Conventional Car(コンベンショナルカー)」と表現されることが多い。「Conventional」とは「従来型の」「伝統の」といった意味で、自動運転車や電気自動車との比較で「従来型の自動車」と表現したいときなどに使用される。
含まれる。CASEは次世代モビリティを表現するワードで、「C」は「コネクテッド(Connected)、「A」は「自動運転(Autonomous)」、「S」は「サービス/シェアリング(Service / Sharing)」、「E」は「電動化(Electric)」という意味だ。詳しくは「CASEとは?意味は?」を参照。
「Pedestrian」は「歩行者」という意味。実証実験などでは歩行者をどう避けるかが課題の1つとして挙げられるため、自動運転関連のニュースで頻出ワードとなっている。単語ではないが、このほか、無線によるアップデートを意味する「Over The Air」(OTA)、自動運転機能の動作条件を示す「Operational Design Domain」(ODD)も知っていきたい。
(初稿公開日:2018年4月21日/最終更新日:2022年2月24日)