デンソー子会社のエヌエスアイテクス社、次世代半導体IP「DFP」を初展示 自動運転車への搭載想定

強みは「反射的な判断処理」



エヌエスアイテクスが初展示した「DFP」=撮影:自動運転ラボ

デンソーの完全子会社として2017年9月に設立した株式会社エヌエスアイテクス(本社:東京都品川区/社長:新見幸秀)=NSI-TEXE=は、東京ビッグサイトで2019年1月16〜18日に開催された「第11回オートモーティブワールド」で、開発中の次世代半導体IP「DFP」を搭載したテストチップとテストボードを初めて展示した。

DFPの一番の特徴は効率的な計算による反射的な判断処理が得意なこと。自動運転車両への搭載も想定しており、同社は「CPU(中央演算処理装置)ともGPU(画像処理用半導体)とも異なる新領域のプロセッサ」と説明している。


「反射処理」に強いDFP=撮影:自動運転ラボ

消費電力はGPUの10分の1以下で、低コスト化にも結びつくという。まだ出荷は開始しておらず、2023年を目標に現在開発を進めている。2019年春からはテストチップ・ボードを用いたDFPの実証実験を開始する予定だ。

デンソー以外に販路を広げることも検討しており、既に国内外の数社から引き合いを受けているという。

同社は2017年9月の設立当時は従業員数が約50〜60人ほどだったが、現在は技術者を中心に100人ほどにまで増えたという。現在力を入れている外部からの採用も今後続けていく方針。

取材に応じてくれた開発部開発二課の片野智明氏=撮影:自動運転ラボ

【参考】関連記事としては「デンソーの自動運転・LiDAR戦略まとめ 開発・提携状況を解説」も参照。



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