取引先に世界の完成車メーカーを有するフランスの自動車部品大手サプライヤー「Valeo(ヴァレオ)」は2018年4月10日、高度な自動運転レベルを実現するためのキーデバイスとなるレーザースキャナーについて、同社製品がアメリカの自動車専門媒体「アートモーティブニュース」が主催する「PACEアワード2018」で表彰を受けたと発表した。
PACEアワードは、自動車業界の発展に寄与する卓越的な技術に対して贈られる賞で、20年以上の歴史を有している。報道発表によると、同社の「SCALA®レーザースキャナー」は自動車市場向けに現在量産されているレーザースキャナーとしては、世界で唯一の製品という。
【参考】アメリカの「自動車技術会」(SAE)が公表している6段階の自動運転レベルにおいて、レベル3〜5の高い自動運転レベルを達成するためには、障害物を検知するレーザースキャナーなどの各種技術の搭載が欠かせない。自動運転レベルについては「自動運転レベル0〜5まで、6段階の技術到達度をまとめて解説|自動運転ラボ 」を参照。
同社が開発・販売するレーサースキャナは視野145度で、車の前方にある障害物が静止していても動いていても、150メートル先までの範囲内で検知することが可能という。昼や夜、雨などの悪天候にも強く、自動車の安全走行を強力にサポートする。
ヴァレオは現在では自動運転に必要とされる技術の開発に、世界でもいち早く取り組み初めてきた。2005年のPACEアワードでは車線逸脱警告システム、2007年には死角検知センサー、2008年には駐車支援システムで表彰を受けている。
33カ国に工場を持つヴァレオグループは、世界各国で研究センター20カ所、開発センター35カ所も有する。2017年度売上高は186億ユーロ(約245円)で、そのうちOEM(相手先ブランドによる生産)売上の12%を研究開発に投資しているという。
【参考】ヴァレオは日本語版公式企業サイトのメディア向けページで、今回の表彰についての詳しい内容を「プレスリリース」として発表している。