タクシー会社の乗務員(運転手)は、各タクシー会社がそれぞれ募集するのが当たり前だったし、ほかの業種でも、人材会社や派遣会社などを利用している場合を除いては、基本的には各企業がその企業で働く人材を募集するのは当然だ。
ただ今後はこうした常識は、タクシー業界では変わっていくかもしれない。
■DiDiの公式サイトに求人ページが登場
中国ライドシェア最大手・滴滴出行(Didi Chuxing)とソフトバンクが出資して2018年6月に設立されたDiDiモビリティジャパンは、日本におけるタクシー配車アプリ事業のサービス提供エリアをどんどん広げている。北は北海道、南は沖縄まで、既にアプリの利用可能エリア数は2桁台に乗り、AI(人工知能)による配車の最適化・効率化も乗務員から好評だ。
初乗り無料キャンペーンやクーポンの配布など攻めのプロモーションでシェアを拡大し、アプリの月間ダウンロード数も好調だ。全47都道府県で既に展開しているJapanTaxiの背中を追い、独自のポイントプログラムなども2019年8月からスタートした。こうした取り組みが功を奏し、わずか1年でDiDiは日本の有力配車アプリの1つとして数えられるようになった。
そんなDiDiモビリティジャパンの公式サイトにおいて、乗務員の募集ページが設けられていることをご存じだろうか。「AIテクノロジーによる今までにないタクシードライバーの働き方」というキャッチコピーで、DiDiモビリティジャパンと提携するタクシー会社の求人を掲載している。
このことは地味に注目すべきことだ。タクシー配車アプリの提供企業が徐々にタクシービジネス全般に関するプラットフォーマーになりつつあることを意味するからだ。
【参考】関連記事としては「始動1年で国内10エリア目!タクシー配車アプリDiDi、沖縄でも」「タクシー配車アプリDiDi、予約機能の次はポイント付与!」も参照。
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— 自動運転ラボ (@jidountenlab) August 21, 2019
■タクシー会社の「代理店」的な存在に?
こうした点を加味すると、タクシー配車アプリの提供会社がいずれタクシー会社の「代理店」的な存在となっていく可能性を感じずにはいられない。送迎という実務はタクシー会社が担い、各タクシー会社が取り組んでいる集客やPR、採用などは、将来的にはタクシー配車アプリの提供会社側の役目となっていくかもしれない。
ちなみに募集ページには、DiDiアプリを導入したタクシー会社の乗務員へのインタビュー記事も載っている。乗務員の募集ページは「https://didimobility.co.jp/driver-recruit/」。一度アクセスしてみてはいかが?
【参考】関連記事としては「【最新版】タクシー配車アプリや提供企業を一挙まとめ 仕組みも解説」も参照。
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— 自動運転ラボ (@jidountenlab) October 19, 2018