三井化学、新素材を使った初の自動運転コンセプトカーをパリで出展

コンセプトは「素材で移動環境をMAKEする」



コンセプトカー「hour’s Pod」=出典:三井化学株式会社プレスリリース

三井化学株式会社(本社:東京都港区/代表取締役社長:淡輪敏)と子会社の株式会社アーク(本社:大阪府大阪市/社長:金太浩)は2019年3月12〜14日にフランスで開催された世界最大規模の複合材料展「JEC WORLD 2019」に、自動運転時代に対応するコンセプトカーを出展した。

今回初公開となるコンセプトカー「hour’s Pod」は、三井化学グループの新しい素材と技術を搭載。運転が必要なくなる自動運転時代の新しい移動環境と過ごし方を提案するというコンセプトだ。


■車内空間の造形の自由度高く

車体のフレームは「TAFNEX」という炭素繊維とポリプロピレン樹脂の複合材で構成される。高い加工性を持ち、強度を保ちながら軽量化が可能なため、自由な車内空間の造形が可能になる。リサイクル性にも優れており、環境問題にも対応する。

大きなウインドウの表面にはノストラと名付けられたコーティング剤を使用する。水で汚れが落ちやすくなる親水性を持たせ、汚れによる視界不良を軽減する。曇り止め効果もあり、観光周遊などで景観を楽しむ際に効果を発揮するだろう。

車内のシートやテーブルの表面にはポリウレタンとカーボンの複合素材が使用され、耐久性を保ちつつ、柔らかく滑らかな触り心地を併せ持つ。シート内部のポリウレタン素材クッションは、優れたクッション性と耐久性、耐熱性を持ち様々な使用環境に対応可能だ。

■素材が広げる自動運転車の用途

自動運転によるライドシェアでは不特定多数のユーザーがそれぞれの目的にあわせた利用をすることになる。座席の耐久性や座り心地はもちろん、車内空間の広さや形状も重要も従来の自動車とは違った物が必要となる。


新しい素材の導入によって今までできなかった新しい形の車両が作れるようになれば、自動運転車両の用途もさらに広がっていくだろう。

【参考】自動運転時代のコンセプトモデルについては「トヨタのe-Paletteとは? MaaS向けの多目的EV自動運転車」も参照。


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