日本を含む世界の自動車メーカーが、自動運転技術の開発のために巨額投資に乗り出している。
自動車業界では自動運転の技術開発レベルが、今後の市場競争力に大きく結びつくと言われる。そのため多少の費用面で無理が生じても、費用をつぎ込まざると得ないという現状がある。日本勢では、トヨタ自動車が自動運転などの先端技術を含む開発に充てる2019年3月期の研究費は、前期比1.5%増の1兆800億円にも上る。
そんな中で、自動運転メーカー大手が提携を結び、共同で自動運転技術を開発することで相互に開発費用を抑えようとする動きが出てきた。その動きの一つがドイツ自動車メーカー大手のフォルクス・ワーゲン(VW)グループと米フォードが2018年6月19日に発表した業務提携だ。
発表によれば、両社は商用車の共同開発を柱として協業していく。VWはライドシェア用に向いているとされる商用バンの開発を手掛けており、フォードもこうした車種の開発を進めていきたいものとみられる。具体的な協業範囲は今後さらに協議して決められていくという。
VWグループは2018年4月、トヨタ子会社の日野自動車と商用車事業で提携することを発表したばかり。協業分野には自動運転技術の開発も含まれている。
日野とVWが戦略的協力関係構築へ合意 「自動運転×商用車」の将来性も見据え https://t.co/1DR6ePv83Y @jidountenlabさんから
— 自動運転ラボ (@jidountenlab) June 10, 2018
日本の自動車調査会社フォーインの調べによれば、2017年の自動車販売台数はVWグループが1044万台で世界1位、フォードが621万台で世界6位。これほどの販売台数を誇る自動車メーカーでさえも単独で生き残りを図ることは困難とみえる。