ドイツの自動車メーカーBMWの次世代自動運転車「iNEXT」のデザイン画が、2018年5月開催の年次総会で初公開された。自動運転レベル3.5相当が搭載されると言われており、2018年末にコンセプトカーを発表後、2021年に生産・販売を開始する予定だ。
iNEXTは、同社が設立100周年を迎えた2016年に次世代型電動モビリティとして初めて発表・予告された注目のモデル。詳細は明らかにされていないが、報道などによると、電気自動車(EV)として航続距離700kmを実現し、自動運転車としてはレベル3.5を実現するフラッグシップモデルになるという。
【参考】自動運転レベル3は緊急時のみ人(運転手)が運転を担う「条件付自動運転」、自動運転レベル4は高速道路などの限定エリアにおいて全ての運転操作を車(システム側)が担う「高度運転自動化」と定義される。自動運転レベルは6段階に定義されている。詳しくは「自動運転レベル0〜5まで、6段階の技術到達度をまとめて解説|自動運転ラボ 」を参照。
同社のハラルド・クルーガー会長は、iNEXTについて「モビリティの未来を具現化し、自動運転、電気自動車、コネクティビティおよびデザインなどの分野における新たな基準を確立する」と述べている。
【参考】ハラルド・クルーガー会長のiNEXTに関するコメントは、BMW公式サイトの「プレスリリース」を参照。
同社は電気自動車と自動運転の拡大に主眼を置いており、全ブランドの全モデルとシリーズについて、従来のエンジンに加えてフルエレクトリック(ピュアEV)またはプラグイン・ハイブリッド(PHV)のドライブトレインを提供することでEV化を実現できるとしている。
また自動運転の分野においては、インテル社やインテル傘下のイスラエルのモービルアイ社、デルファイ社、コンチネンタル社と提携を結ぶなどパートナー戦略を推進しており、2018年には、本社があるミュンヘン近郊のウンターシュライスハイムに、ドライバー支援システムや自動運転に関する開発能力を一つの拠点に集約した新たな研究開発センターをオープンした。
クルーガー会長は「運転するか車両に任せるかはドライバーが決めるというのが我々の哲学」と述べており、ドライバー不在の完全自動運転車は作らず、運転する楽しさとの両立を目指す方針を示している。