中国スマートフォン大手のXiaomi(小米科技/シャオミ)は2021年9月12日までに、自動運転EV(電気自動車)市場への参入を公式に発表した。
参入の意志は3月に明らかにしていたが、このほど中国の自動運転ベンチャーDeepMotion(深動科技)の買収を発表し、9月に入って自動運転EV開発のための子会社「Xiaomi EV」の設立を完了したことを明らかにした。
Xiaomi EVの代表は、シャオミの創業者であるレイ・ジュンCEO(最高経営責任者)が務める。つまりそれだけ自動運転EV事業に力を入れていくということなのだろう。
■シャオミCEO「最後の大規模起業プロジェクト」
シャオミは自動運転EV事業に関し、100億元(約1,700億円)を初期投資し、従業員を300人以上雇用すると明らかにしている。2021年3月の発表時には、今後10年間で総額100億ドル(約1.1兆円)を投資する方針も示している。
シャオミのジュンCEOはEV事業について「最後の大規模起業プロジェクト」と語っている。EV車両の生産については、シャオミのスマホ製品同様、工場を持たないファブレスで進められるとみられている。
今後の注目は、シャオミがEVの製造でどの企業と連係するかという点だ。
■シャオミとApple、競争を優位に進めるのはどちらか
ちなみにスマホ大手ではAppleも自動運転プロジェクトを進めているが、そのプロジェクトの進捗は公式には明らかにされていない。一方、公道での実験車の走行が複数回目撃されているほか、製造委託について韓国や日本の自動車メーカーと接触したとの報道も出ている。
シャオミは世界におけるスマートフォンの出荷台数で、2021年6月にサムスンを抜いて1位となった。Appleはシェアを落として3位となっている。シャオミが本業でAppleを追い抜く中、自動運転車ではどちらが競争を優位に進めるのか、注目だ。
【参考】関連記事としては「自動運転EVはファブレス時代に!中国ではシャオミが有力?」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)