帝国データバンクが2020年6月3日に発表した調査結果によると、トヨタ自動車グループの一次下請企業を業種別にみると一番多かったのは「ソフト受託開発」で296社となっており、2019年調査に引き続き「自動車部分品製造」を上回った。
二次下請企業も2019年に続き「ソフト受託開発」を事業とする企業が1525社でトップ。「CASE」(コネクテッド/自動運転/シェアリング・サービス/電動化)という変革期を迎える自動車業界を象徴するような結果だ。
「ソフト受託開発」に分類される企業数を2014年調査と比べると、一次下請では195社から296社に、二次下請では749社から1,525社まで増えている。
■ソフトウェアの善し悪しが自動運転のカギを握る
前述の通り、CASEという変革により、自動車製造におけるソフトウェアの重要度が増しており、特に自動運転技術の開発ではソフトウェアの善し悪しがカギを握る。そのため自動運転技術や先進運転支援システムの領域でも、トヨタは多くのソフトウェア開発の下請け企業を抱えているはずだ。
トヨタが自動運転技術の開発に注力していることは、関連特許の取得状況からもよく分かる。主要国・地域における特許の出願状況をまとめた特許庁の2020年度調査では、2014〜2018年「自動運転」関連の特許出願件数で、トヨタは米中勢を抑えて首位となっている。
自動運転技術を搭載した製品開発も進めており、その代表格が「e-Palette」という自動運転シャトルだ。e-Paletteの開発、そして運行システムにおいてもソフトウェアの開発を進めているはずだ。
【参考】関連記事としては「トヨタ、世界でダブル首位!自動運転&MaaSの特許出願、米中勢抑え」も参照。
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— 自動運転ラボ (@jidountenlab) May 15, 2021
■ソフトウェア開発企業にとってはビジネスチャンスに
CASEが今後も進展することを考えると、トヨタの一次下請、そして二次下請の「ソフト受託開発」の企業数はもっと増えていくことが考えられる。
そしてこうした潮流はソフトウェア開発企業にとってはチャンスだ。これまで世界規模で事業を展開するトヨタとビジネスをする機会がなかった企業も、CASE関連のソフトウェア開発に強みがあれば、大きなビジネスチャンスを獲得できるかもしれない。
【参考】関連記事としては「トヨタの自動運転戦略を徹底解説!2021年も大変革へアクセル全開」も参照。