ほとんど報道されていないが、東京オリンピック2020の選手村で、トヨタの自動運転EV(電気自動車)シャトル「e-Palette」が選手の移動手段として活躍している。オリンピック選手や競技関係者がその様子をTwitterでツイートするなどし、話題になっている。
■選手村で活躍するトヨタe-Palette
e-Paletteは2018年にトヨタが発表した次世代型モビリティだ。ハンドルやブレーキなどがなく、車内空間を幅広く使えることができることが特徴で、2019年10月にはオリンピック仕様のe-Paletteが発表されている。
トランポリンの日本代表である森ひかる選手は、Twitterで「選手村はすごく大きいので、このようなバスが走っていて、バス停で待っていれば乗せてくれます。中には椅子もあって座れます。快適でした」とe-Paletteについて投稿した。
選手村はすごく大きいので、
このようなバスが走っていて、
バス停で待っていれば乗せてくれます🚌
中には椅子もあって座れます。快適でした。#東京オリンピック #TOKYO2020 #トランポリン #選手村 pic.twitter.com/CE5AeEy5p7— 森ひかる Hikaru Mori (@hikapoline) July 26, 2021
一方、東京オリンピック男子体操の強化副本部長である原田睦巳氏は「選手村内は全自動の電気バスが走ってます!炎天下、日中は日陰が無いので移動には本当にありがたい!」とツイートした。
選手村内は全自動の電気バスが走ってます!
炎天下、日中は日陰が無いので移動には本当にありがたい❗️ pic.twitter.com/ZtTCEzhNUe— 原田睦巳 Mutsumi HARADA (@mutsumi924) July 24, 2021
2人のツイート動画からは、e-Paletteが選手村の中を滑らかに走行している様子が見てとれる。ちなみに、車内の進行方向前方には係員が1人立っており、万が一のときの対応などを担っているとみられる。
■海外選手もTikTokで投稿、世界に拡散
ちなみにトヨタは、最高位のスポンサー契約を国際オリンピック委員会(IOC)と結んでいるが、コロナ禍が収束していないことなどに配慮し、オリンピック関連の自社CMを放映しないことを決めている。豊田章男社長は開会式の出席も見送った。
こうしたことは報じられている一方、e-Paletteが選手村で活躍していることは、あまり報じられていない。しかし、オリンピック選手には大きなインパクトを与えているようで、海外選手がSNSに投稿し、海外にe-Paletteの話題が拡散している。
以下は、カヤックシングルのオーストリア代表であるビクトリア・ウォルフハルト選手がTikTokに投稿した動画だ。夜の選手村の中を走行するe-Paletteを紹介している。
@vikiwolffhardt would you go for a ride through the olympic village? #olympics #olympicathlete #olympicvillage
トヨタにとってオリンピック関連のCMを流せないのは痛手だが、トヨタの技術の凄さは選手村発で世界に拡散している。
【参考】関連記事としては「トヨタのe-Palette(イーパレット)とは?多目的自動運転EV、MaaS向けなどに」も参照。