コネクテッドカーのデータ収益化ビジネスを支援するイスラエルのスタートアップOtonomo(オトノモ)は2021年3月5日までに、米ナスダック上場のためSPAC(特別買収目的会社)のSoftware Acquisition Group Inc.IIとの合併に合意したと発表した。
コネクテッドカーににおいてはデータは「走行」などのために使われるが、車外のセンシングで得たデータなどをビッグデータ化・匿名化すれば、販売によって収益を得ることも可能だ。同社はこうした視点でデータ収益化の支援ビジネスを展開しているものとみられる。
ちなみにNTTドコモ・ベンチャーズが2018年2月に、運用ファンドを介してOtonomoに出資を行っている。NTTグループのコネクテッドカー向けプラットフォーム関連事業や車両データを使ったサービス開発との親和性が高いとし、出資に踏み切ったようだ。
■4,000万台以上のコネクテッドカーからデータを取得
Otonomoは車両のデータを匿名化するクラウドベースのプラットフォーマーとして、2015年に設立された。Otonomoのプラットフォームは、すでに多くの自動車メーカーやサービスプロバイダーに利用されているという。
報道によれば、Otonomoは現在4,000万台以上のコネクテッドカーからデータを取得しており、こうしたデータを匿名化し、企業がフリートマネージメントやスマートシティ、個人向けアプリ、サービス開発で利用できるようにしている。
「EU一般データ保護規則」(GDPR)や「カリフォルニア州消費者プライバシー法」(CCPA)などのプライバシー規制をクリアできるという。
2020年4月にはBMWとのパートナーシップを拡大した。スマート化やリアルタイムの交通情報の提供に向けたプロジェクトを始めるべく、車両から得るデータをOtonomoとシェアするというものだ。BMWが車両データを外部企業とシェアするのは初のことだった。
■SPAC上場でさらに注目度アップ
冒頭触れた通り、「コネクテッドカー×データ」で注目すべきは「走行」だけではない。そのため、Otonomoのようにデータ収集・活用を支援するビジネス領域は今後伸びていくものとみられる。SPAC上場をすればさらに注目度が上がっていきそうだ。
【参考】関連記事としては「自動運転車のデータ収集からマネタイズまで!(特集:マクニカのスマートモビリティへの挑戦 第8回)」も参照。