日機装、Joby Aviationのサプライヤーに!空飛ぶクルマへ部品供給

航空機向け複合材部品で実績、既に共同開発開始



出典:日機装/Joby Aviation

空飛ぶクルマを開発する米スタートアップのJoby Aviation。アメリカ市場でのSPAC上場する計画を発表しており、トヨタも出資している業界注目の企業だ。

そんなJoby Aviationのサプライヤーに、日本の日機装株式会社(本社:東京都渋谷区/代表取締役社長:甲斐敏彦)が選出されたことが、2021年7月14日までに発表された。







Joby Aviationが空飛ぶクルマとして開発する長距離移動型のeVTOL(電動垂直離着陸機)に対し、機体の構成部品を提供するという。Joby Aviationが空飛ぶクルマのリーディング企業となっていけば、日機装の業績にも良い波及効果が出てきそうだ。

ちなみに日機装とJoby Aviationはこれまで、eVTOL用の構成部品を共同開発してきた経緯がある。開発部品は量産段階で製造がしやすく、かつコスト面で競争力を持てるよう考慮されているという。

■日機装、航空機向け複合材部品で実績

Joby Aviationのサプライヤーに選ばれた日機装は、1953年に創業した企業だ。専門性が高い複数の分野において日本にはない技術や製品を開発し、その分野のパイオニアとして市場創出・拡大に大きく寄与してきたことで知られる。

1983年には、炭素繊維を強化材として樹脂に複合させた世界初の「炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製カスケード」の開発に成功。ボーイングやエアバスのさまざまな航空機で採用され、高い市場シェアを誇る。

こうした航空機向け複合材部品の分野での日機装の実績はめざましいものがあり、その延長線上に空飛ぶクルマという新市場の開拓があると考えてよいだろう。

ちなみに空飛ぶクルマから2020年代に一部実用化が始まり、2030年代には普及フェーズに入ると言われている。

■部品供給先のJoby Aviationの有望性は?

このように航空機向け複合材部品の分野ですでに実績がある日機装だが、部品供給先のJoby Aviationが事業を成功させてくれなければ、将来的に大きな売上をあげることは難しい。ではJoby Aviationはどれほどの実力がある企業なのだろうか。

安全認証を取得済、2024年にエアタクシー事業開始へ

2009年に設立されたJoby Aviation。同社が開発するeVTOLはパイロット1人で最大4人の乗客を乗せ、最大航続距離は300キロ超、最高時速は320キロで飛行することができる。特徴の1つとしては、ヘリコプターよりも静音性に優れていることがある。

FAA(米国連邦航空局)から電動エアタクシーの安全認証をすでに取得し、2024年からアメリカ国内の複数都市でeVTOLのエアタクシーサービスを開始することを目指している。

ちなみに、仮にプロペラが1つ壊れても問題なく飛行可能で、すでにテスト飛行を1,000回以上実施しているという。また、2021年内に広さ約4万2,000㎡の機体製造施設を建設し、年間数千台の機体製造を予定しているようだ。

【参考】関連記事としては「eVTOLとは?「空飛ぶクルマ」の類型の一つ、開発盛んに」も参照。

トヨタが3億9,400万ドルを出資、SPAC上場計画も

Joby Aviationにはトヨタ自動車が2020年1月、3億9,400万ドル(約435億円)を出資している。

そのほか大手資産運用会社や投資会社からも出資を受け、中国の市場調査会社ResearchInChinaが2021年4月発行したレポートによれば、累計の資金調達額は8億2,000万ドル(約897億円)に上っている。空飛ぶクルマ業界では、トップの資金調達額だ。

2021年3月には、SPAC(特別買収目的会社)の米Reinvent Technology Partners(リインベント・テクノロジー・パートナーズ)との統合を通じ、ニューヨーク証券取引所にSPAC上場する計画を発表した。

ちなみに空飛ぶクルマの上場企業としては中国のEhangがあり、Ehangは2020年2月から2021年2月の1年間で株価が約10倍となるなど大きな注目を集めた。こうした背景もあり、Joby Aviationの上場も大きな注目を集めそうだ。

【参考】関連記事としては「米Joby Aviationが1位!空飛ぶクルマ業界、資金調達ランキング」も参照。

■Joby Aviationと日機装のタッグに要注目

市場調査レポートプロバイダーのReport Oceanが2021年に入り発表した市場レポートによれば、2021年から2035年の空飛ぶクルマ市場のCAGR(年平均成長率)は約47%となるようだ。ほかの有望市場と比べても非常に高い数字と言える。

ちなみに少し古い予想データではあるが、グローバル調査会社のマーケッツアンドマーケッツが2019年3月に発表した予測によれば、eVTOLの市場規模は2025年には1億6,000万ドル、2030年には4億1,000万ドルまで拡大するという。

空飛ぶクルマの実用化に向け、各国政府によるインフラ整備や法整備に向けた検討も本格的に始まりつつある。Joby Aviationがこの市場で成功できるのか、そして日機装は部品供給でその成功をサポートして巨大な売上を将来得ることができるのか、要注目だ。

▼Joby Aviation公式サイト
https://www.jobyaviation.com/
▼日機装公式サイト
https://www.nikkiso.co.jp/

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。同業上場企業とのJV設立や複数のM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立。設立3年で、グループ4社へと拡大し、デジタル系事業開発に従事している。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域最大級メディア「自動運転ラボ」立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術・会社の最新情報が最も集まる存在に。
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